【wrwrd】女医の担当は総統様 (ページ11)

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10.治療〈6日目〉ページ11

ひんやりとしていて、暗い。
気づいたら私は地下牢に入れられていた。
体も思うように動かない。手足を縛られていた。
しばらくすると、人影が見え、私はその人影に見覚えがあった。

『...！』

fr「昨日ぶりね...専属の女医さん？」

『何が目的ですか』

fr「あら、無愛想な子ね。まあいいわ。
目的？そんなの決まってるでしょ？グルッペン様よ」

『はい？』

fr「覚えてないの？」

『覚えてます』

fr「あっそ。なら話は早いわ。
あんたとグルッペン様を引き剥がすためよ」

『ただの女医ですが？』

fr「だから！ちょっとしか居てもないのに、
グルッペン様の全てを知ったかのように振る舞うなってことよ！」

私はこの時、フランのヒールでみぞおちを蹴られた。

『あがっ...！』

fr「ふん。懲りた？」

『グルッペン...をっ、どうするつもり....？』

fr「そんなの決まってるでしょ？
すぐにあんたを引き剥がして、私と婚約するのよ」

『あなたみたいな人とグルッペンが婚約...？
ふん。笑わせないでくれる...？』

fr「どういう意味よ」

私は口を噤んだ。

fr「言いなさいよ！」

この時、ヒールでこめかみを蹴られ、
案の定血が出た。

『っ....』

fr「あら？言えないの？」

『言ったらあなた、正気を失いますよ』

fr「私が？狂うですって？
あーはっはっはっ！笑わせるわね」

『ふん。グルッペンは、あなたみたいな人と婚約はしたくないんだよ！！』

fr「なんですって...？」

『聞こえなかった？グルッペンは婚約したくないの！』

fr「嘘よ...嘘よ！嘘！引き剥がされたくないからって、
そんな嘘をついたら許してくれるとでも思ったの？
冗談もやめてちょうだい！」

『がっ...！』

すると奴は近づくなり、
私をサンドバッグにした。

fr「グルッペン様が婚約したくないですって？
冗談じゃないわ！」

『がはっ...！』

fr「あんたさえ...あんたさえいなかったら！」

『あ゛っ...』

すると、地下牢の扉が開き、やつの親が来た。

「よしなさい！フラン！」

「生贄が死んだらどうするんだ！」

『おま...えらっ、』

「なんだ？」

『我々国をっ、どう...する、気ですかっ...』

「宣戦布告に決まってるでしょ？」

「話は聞いたよ。グルッペン君、病気だって？
ちょうどいいじゃないか」

『グル...ッペン、にっ...手を、出さないでっ...』

「しつこいやつだ」

私は手刀を食らい、ここで意識が途切れた。