愛に秘密を、正義に銃を 8【安室透/降谷零】

360 Day1.4 ページ10

「降谷さん...」


...本当にどうしてこうなってしまうのか...
通話が終了した後から打ちひしがれたように溜息ばかりついている上司を前に、手元でAさんに謝罪の文を入れる

どうすれば良かったのだろうか
私が用意した文言は不自然だったのか、返って悲しませてしまったようで責任を...


「...参るだろ」


そう言って、前髪をかき上げるように頭を抱えたのは、普段は弱さなど知らなそうな年下の完璧人間


「あんなに怒ってるようで、悲しんでるようで、最後には"それでも大事だから土産は買う"と言うんだぞ。お前達よりよっぽど立派だ」

「そ、そんな事は...あるかも、しれません...」

「だが、...俺はそれを嬉しく思う反面全く望んではいない」

「...はい？」

「好きに自由に振る舞って欲しいんだ、あいつには。俺が喜ぶかもしれないとか、傷付くかもしれないとか、本当は一切気にせずにただ思うままに、わがままでも何でもして欲しい。...と言っても、実際無茶苦茶なわがままを言われる時には困るんだが」

「...降谷さん、愛する者同士想いは同じです。
降谷さんがそう考えるのでしたらAさんもきっと同じ事を思っています。
自分よりも相手を思う、それは必然なのですから、"パパに喜んで欲しい"とお土産を買う事自体がAさんのしたい事なのです」




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園「帰ったらこの園子様がガツンと言ってあげるから、今は心配しないの！」

「うん...」

蘭「そうだ！世良さんのジュリエットの話！」

園「ああ！それ聞いたら元気出すかもね！」

「そ、そんなに？」

世「でも良かっただろ？お客さんも笑ってくれてたし」

園「そうだけど！他の役の子達が困ってたわよ！勝手に台詞とか流れ変えるなんて！」

「え、アドリブ？」

世「せっかく文化祭なんだから、面白い方がいいと思ってさ」


こうやって後話でも盛り上がれる皆の様子を見ると、やっぱりジュリエットは私じゃなくて正解だったんじゃないかって
そして早く帰りたいとも思いながら


園「ジュリエットがロミオより強いし、毒薬は飲まないし、もうめちゃくちゃだったんだから！」

蘭「でもおかげで台本知ってる私も楽しかったよ！ビデオ撮ってるから後でAちゃんにも見せるね！」

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