愛に秘密を、正義に銃を 8【安室透/降谷零】

354 Know the way ページ4

「だいぶ顔色が良くなったな」


そう見守ってくれてるパパのコートは布団の上に広げられてるように

昨日の夜、寒いと言った私に真冬の服はまだ出してない私の部屋からじゃなくて別から持って来て着せてくれたコート
それだけですごくあったかい気が...したかっただけで、やっぱり寒かった


「...大丈夫かな...今日文化祭だったのに...」

「まずは食べてからにしろ」


確か、その時から風見さんも来てくれてたよね...？
寒かったり
気持ち悪かったり
点滴だったり
それで感情が忙し過ぎて顔も見れなかったかも

あんな夜中にパパに呼び出されたのかな...
なんか、私のせいで...


「...ごめんね、昨日もまだ仕事中だったよね？」

「そんな事はいい、むしろお前はよくやった」

「え...？」

「辛くてもしっかり助けが呼べたんだ、それで救われたのはお前だけじゃない」

「...パパって本当に上司がよく似合うよね、公安部の人達もそうやって褒めてあげてるの？」


水分いっぱい取るからと約束して、用意してもらった白米と肉じゃが
それも下半身は布団に潜ったままベッドの上で食べてる
普段ならダメって言うのに、こういう時に甘やかしてくれるパパはずるい

どこを見ても何をしても限界が見つからない"好き"
恥ずかしいくらいに仕事と私だけで、気晴らしに自分で遊びに行ったりもしない

"たまには気にしないで好きな事しなよ"
って言えば偽善になっちゃう
結局こうやって側にいて欲しくて、体もわざわざ熱を出すなんて


「お待たせしてしまい申し訳ありません！」


じゃがいもを箸でつまみ上げた瞬間に勢いよく開いたドア


「スポーツドリンクとシュークリームです！」

「え、シュークリーム？」

「...っ、違いましたか？」


ビニール袋をパパに手渡した風見さんは、ネクタイもゆるゆるで、走って来たのか息も荒くして


「私は水は嫌だからスポーツドリンクがいいってしか

「合ってる、俺が頼んだ」


ドン
とベッド脇のテーブルに置かれたのは2リットルの大きいペットボトル
その隣にはこれもまた大きいシュークリームが二つ入った袋


「半分飲む終わる度に一つ食べていい」

「っ！全部飲むから今

「ダメだ」

「...パパ！」

「何と言ってもダメだ。今重要なのはシュークリームじゃなくて水分補給なんだぞ」

「そうだけど...！」

「体調が良くなったら、また一緒に浴衣を来て花火をしよう。だから季節が寒くなる前に早く治そう、A」


...だからずるいんだってば

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