公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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降「違う！ここに書いてあるだろ！」

「は、はい...！」


こんなの聞いてない
上司が隣に住んでるなんて聞いてない
2日目で部屋着にすっぴんで仕事に来るなんて聞いてない

あの後、菓子折りを抱えたままの私は引きずられるようにして2度目となる助手席に乗せられて
朝からイケメンなんて刺激が強すぎると思っていたら

降『昨日はどうして帰った』

『風見さんが定時だから上がっていいと...』

降『仕事も終わらせずに帰ったという事か』

『そ、それは...』

降『昨日までに提出しろと言ったはずだ。命令を無視したという認識で良いな？』

『いや、あの

降『警察学校で首席だったからと調子に乗るな。ここから先失敗は許されない。昨日も言ったが公安に無能は要らない』

『...も、申し訳あり

降『連絡先を教えろ』

『え...？』

降『携帯の番号だ、まさか持ってないのか？』

『も、持ってます！えっと、090の

降『違う！』

『っ...な、何が

降『見て分からないのか！運転中だ！』

で、
その運転するジャケットのポケットからスマホを取り出して、
ロック解除のパスワードまで何故か教えてくれて、
緊張しながらイケメンの連絡帳に"AA"を登録した

連絡先聞こうと思って練習までしたのに...？
何この展開


そうやって連行されるように連れて来られた警視庁で、早速怒涛のようにダメ出しされながら新規に書き始めた昨日の報告書
風見さんとやったのは風見さんのパソコンに入ってるから...


降「どこ見てる！日付が違う！」

「す、すみません...」


全く知りもしない事件の捜査資料
登場人物も多いし、継続時間も長いから情報量が多過ぎて...

鬼イケメン...も正解だけど...
まるで鬼のようなイケメン
風見さんの方が良かった...
優しいし、無駄にドキドキして緊張しなくていいし
ちなみに後者は褒めてる


そして気付いたらオフィスが少し騒がしくなって来た頃


「...出来た、出来ました！降谷さん確認を、えっちょっと！何して


...え...？


降「今度こそ、今日中に提出しろ」


は...嘘...でしょ...？
目の前の画面は綺麗さっぱりな白
左上に入力用の縦棒がチカチカと消えたり出たり繰り返しているだけ

...全削除...された


降「また命令を無視して帰って来たら容赦しない」


帰って"来たら"
その言い回しにちょっとキュンとした自分が、今思えば馬鹿だった
まるで一緒に住んでるカップルみたいだとか思って

そのおかげでプライベートが無くなったんだから

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