公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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...また12時を回った
近頃は自宅で太陽を見ることが全く無い

時折顔を合わせる刑事達にすら身分を隠しながらこの日本を守る為に
毎日毎日
あの年齢不詳女に変装をしてもらったり、小学一年生の小さな少年に思わず舌を巻いたり

しばらく適当な物しか食べていないな...と思いつつ
アパートの階段を登りながら

...ちゃんと菓子ばかりじゃなく自炊して...っ、なくてもいいだろ
何他人の心配をしてるんだ
...そう言えばあの菓子折りはどうなったんだ
結局俺は貰わなかったぞ
自分で食べたのか？
そんな奴がいるか

クソっ...またイライラして



「ありがとうございました！...はい、...はい...」



...この声
やや離れたところから聞こえて来たそれを探すように
玄関前のフェンスから身を乗り出して下を見る

...車が一台と、その横で"ハハハ"とまた繰り返された女の声



「頑張ります。...はい、...いえ、こちらこそ！」



随分と元気そうな様子と、見覚えしか無い車
ただただ募って行く苛立ち



「じゃあまた明日、おやすみなさい！本当にありがとうございました！」



何だあれは
...あいつは、いや、"あいつら"はそういう事なのか...？
意味が分からない...

"好きです！強くてカッコよくてご飯も美味しくて、降谷さん程のスパダリは三次元で見た事ありません！"

じゃなかったのか
苛立って苛立って
また酒が欲しくなって
何の為にあの女には仕事を多く課してるのかと




・




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風「こ、こちらを全てですか...？」

降「文句は受け付けない、やれ」

風「しかしNOCリストの件もまだ

降「出来ないのならお前を降ろす」


朝から呼び出され何事かと思うと、公安指定の国内某犯罪組織の新幹部一覧
それで全員の現状を調べて来い、というご命令

突然過ぎて全く訳が分からず、資料を手にしたままやはり感じる不機嫌そうな様子に首を捻る




この時くらいからだっただろうか
降谷さんの異変がどんどんとエスカレートしていき
Aさんは辞表を出すまでに追い込まれ
我々は一体どうしたら良いのかも分からず頭を抱えた日々の始まりは

今考えれば本当に馬鹿馬鹿しい時間だったが
むしろ今度はいつからこんな事に...


降「A...」

風「じゃなくて風見です、いい加減仕事して下さい！」

降「帰って来てくれ...」

風「はぁ...ですから黒田管理官にお話ししたらどうですか？」

降「あのジジィ絶対

風「やっぱりやめましょう！」

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