公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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「すごい...綺麗...」


油が跳ね、煙が上がっては頭上に吸い込まれて行く後ろでは
そう言って、確実に綺麗では無い拳銃を天井のライトに掲げ眺めるスーツ姿の例の女

術科センターで見た成果は、正直驚く物だった
実は特訓は一人で続けていたという点でもそうだが、これまでずっとSAKURAを使用してきた人間がP7をたった1時間もしない内にSAKURAとほぼ同じ正確性で撃って見せた

これがあの告白に"勝手にしろ"と返答した効果なのか
この女の天性のセンスなのか
何にしろ風見ら公安部の他の奴とは一緒に出来ない


「大切にしますね！」


出来上がった料理をフライパンから皿に盛り、テーブルに持って行く正面から見せられたのは相変わらず馬鹿みたいな笑顔
拳銃を貰ってそこまで喜ぶ女がいるか


降「...壊さないように気をつけるんだな、修理代は自費だ」

「え...！？そ、そうなんですか！？」


"じゃあ本当に大事にしないと"と腫れ物を扱うような手つきで鉄の塊を置いた様子に、俺も何を考えているんだと自責する

手入れの仕方を教えるとは言ったものの、自宅に招き食事を振る舞う必要など無い
ホルスターも拳銃も渡す必要は無い
修理代も経費で落ちるに決まってるだろ


「美味しそう...しかもこんなにたくさん...、っ！お酒まで！」

降「ビールならまだ余分にある、欲しければ自分で冷蔵庫を開けろ」

「...もしかして私の為に買っ

降「自分で飲む為だ」

「う...ちょっとくらい夢見させてくれてもいいじゃないですか...私は告白までしたのに...」


そうやってコロコロと変わる表情の対面で、音を立てて開けた缶ビール

...ビール自体俺は滅多に飲まない
気まぐれに時々スーパーで手を伸ばしては、その次また購入するのは何ヶ月も後だったりする程度


「美味しい...はっ、降谷さんのお嫁さんになれたらこれが毎日...！是非私をお嫁に

降「早く食べろ、冷めたら温め直す電気代請求するぞ」

「た、食べます！全部食べます！」


...本当に、こいつはやけに嬉しそうに、美味しそうに、幸せそうに食べるな...
作っている側としてはその食べっぷりは見ていて気持ちがいい

以前は作り過ぎた分を風見に分け与えていたが、あいつとはまた違う
作りがいがあるというか、癖になり...

...そうなわけないだろ
こいつは自分で料理が出来るんだ
俺が時間と金を費やして世話をする意味など


「おかわり下さい！」

降「っ、自分で行け！！」

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