公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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「で...この食材達はどうするんですか...？」

降「作り置き出来るものを可能な限り今調理しておいてやる」

「つ、作り置き！つまりいつでも好きな時にイケメンの手料理が食べれ

降「俺の時間を無駄にしない為だ。来週から空腹を言い訳にした手抜きは一切許容しない」

「うっ...頑張ります...」


飴と鞭がすごい...
優しいと一瞬思ってもすぐにやっぱり鬼
でもイケメンだから結局カッコよくて...
キッチンに立つ後ろ姿を見て、もし付き合って同棲したらこんな感じなのかなって妄想を


降「っ、仕事をしろ！」

「は、はい！」


その一言に急いで資料とペンを取り出して、昨日の続きを読み進める

"APTX4869
組織が研究開発を進めている毒薬。細胞自己破壊プログラムであるアポトーシスを語源とし、服薬した人物の遺体からその痕跡は見つからない。稀に副作用として幼児化する事があるらしい。
この毒薬の開発には宮野厚司を始めとした宮野家が深く携わっていると考えられている。
彼らの事故による他界後、次女である宮野志保、コードネームシェリーが現在は研究を引き継いでいる模様"

痕跡が残らない毒薬か...
そんな物作って何がしたいんだろう...

そしてその組織に潜入捜査しているらしい目の前の上司
コードネームは確か、えぇっと...

あ、そうだ
バーボン

それで実は公安部からもう一人潜入していた人がいて、コードネームはスコッチ
本名は諸伏景光
...しかし任務中に殉職...

任務中に殉職...
そんな危険な仕事を降谷さんも...

同じ公安警察として私はどうしたらいいんだろう
こんな資料を全部覚えたところで何か出来るわけじゃない
常時携帯用の拳銃もまだ所持が許されないし、現場にも行かせてもらえない
まだ入庁して半月経ったかどうかなのに、もう日中オフィスで一人残る事を何度も経験してる
皆外に出払ってるのに私だけパソコンと睨めっこ

"現場に出れない警察官など意味がない"

って降谷さんも言ってた...
実際出させてもらえない現状、私はやっぱり無能って事...？


「わっ、

降「味見をしてみろ」


そう突然目の前に差し出されたのはフライパンごと美味しい匂いが立ち込めるおかず


「...あーんしてくれたらもっと仕事頑張りま

降「早くしろ」

「は、はい...」


初恋の女性ってどんな人なんだろう...
そもそもいつ初恋したんだろう...

私にもチャンスは、あるかな
...無いかな
その考えの裏に蘇るのは特訓時に浴びせられる怒号

...まずは認めてもらわなきゃ

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