公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

▼ずっと待ってて貰うのは申し訳ないので、無理しない程度で更新します。沢山のコメントありがとうございます、出来るだけすぐ返信します ページ46

「あの、き、規制線を張るとかしな、っ！！」



シートベルトをまだ締める最中
身体ごと持っていかれそうになる程のスピードで発進した車
こんな...！交通違反じゃ



降「拳銃の準備をしろ」

「え？撃つんですか？」

降「準備をしろと言ったんだ！」

「は、はい！！」



慌てて腰から引き抜いた拳銃を胸の前で縦に構えて
目の前に広がる景色では、料金所に一切目もくれず乗り出した首都高の上

こっそり覗き見たメーターは余裕で時速3桁は超えてるし
もはや車線という車線を走ってない進路

...ジェットコースターより怖い！！

今にも周りの乗用車にぶつかってしまいそうで、拳銃を構える手元が震える
こんなスピードでぶつかったら、単なる玉突き事故じゃ終わらない
しかも乗ってる二人が警察官だなんて世間に知られたら

...と考えた時、まず先に嫌だと思ったのがイケメンの顔がメディアに晒される事だった私はもう、色んな意味で終わってたと思う...

全国にこの最強の顔面が警察官として知れ渡ったらもっと敵が増えちゃう！
"降谷"ハンコが流行っちゃうかも！
イケメンの愛車だってRX-7も爆売れしちゃうかも！
警視庁警察庁に観光客が殺到するかも！

って、凄まじいハンドル捌きをする真剣な横顔に夢中になりながら

『黙って着いて来い！』

きゅん...
あの台詞良かったなぁ...
今も、思ってた通り現場の降谷さんもかっこいい....
スパダリ感が増し増しで
"運転姿っていいよね"どころじゃない技術

それでも、いつ事故るか気が気じゃなくて
ここ首都高だよ？
周りの大きいトラックだって多分50から60kmくらいの中、あの女の人が乗った車を後ろからピッタリ追いかけながら...



降「っ、誰だ！」

「え、な、何が

降「赤井...！？」



ドリフトしながら余所見しないで！と心の中で訴えて
私とは反対の窓を見るその視線の先にはこちらにピッタリとくっつく車

...あ、あの人！
えっと、確か...アメリカのFBI所属で組織にコードネーム"ライ"で潜入していた赤井秀一
もう今は組織から抜け出したはずで...



「うっ！」



後ろで大型トラックがレールにぶつかって停車したのがサイドミラーで見えたと思ったら、同時に揺さぶられるような衝撃
まさか事故っ



降「下がれ赤井！！奴は公安の物だ！！」

「ふ、降谷さん！前見て下さい！！」



車体の外から響くクラクション
少し前では大きく舞い上がった乗用車

嘘...落ちて来る...

ゴトンとした鈍い音は拳銃を落とした音

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