公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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「...あの、帰ってもいいですか...？」

降「なっ、調書はどうするんだ、わざわざ刑事部まで呼んだんだぞ」

「ちょっと体調悪くて...」



さすがに嘘がキツ過ぎた...？
とやけに長く感じた沈黙の後



降「...向かいに停めてある」



そう言って差し出されたのは...車のキー...？



降「送るから先に乗って

「っていうのは嘘で、実はもうアニメが始まっちゃうんです！ここからアパートまでは走れば5分くらいですし、まだ間に合うかも！」

降「は...？何を

「調書は適当で大丈夫です！なのであとは宜しくお願いします！」

降「ちょっと待て！アニメを見る暇があるくらいなら仕事をしろ！」

「アニメ見ながらやりますから！じゃあお疲れ様でした！」



もう少しマシな引き止めのセリフは無かったのかなと思いながら、降谷さんの事だしそれがそのまま本心なんだろうと
逃げるようにして鞄を掴んで出た交番
ローヒールのパンプスに負けないように走って渡った交差点
渡り切った先で振り返った交番では、追いかけて来る素振りも無く刑事部の人と話してる背中

明日怒られるかな...

でもその時はその時
変に思い出してしまった嫌な記憶を忘れる事に今は専念して、私はスパダリをゲットする為にまた明日から頑張るの

大丈夫
降谷さんはきっとそういう意味じゃなかった
そりゃ降谷さんに好かれたらいいなって思いだったからそういう意味では"色目を使った"のかもしれないけど

...私がその単語に敏感になってるだけ

もういっそ明日からすっぴんでいいかもしれない
既に今日含めて2回晒してるし、皆男で化粧なんてしてるのは私一人だけだし
...何より、大好きなイケメンがどんな理由であれあのリップを嫌ったのなら
無理に冒険してリスクを負う必要は無い、よね

ぐるっと一周回って別の入り口から入った駅
もうすぐ終電の時間
ちょうどやって来て飛び乗った電車で目指したのは桜田門
別に仕事したいわけじゃないけど、明日の朝までに終わらせて降谷さんを驚かせようという作戦

それとついでに怒られるのも回避出来たら一石二鳥でしょ？




・



風「...Aさん？どうかなさいましたか？」

「あ、風見さん...ちょっと忘れ物しちゃって！戸締まりは私がしておきますから大丈夫ですよ！」

風「ほ、本当に大丈夫ですか？何かあったのではありませんか？」

「...天使がいる...」

風「て、天使がお話聞きますから！まずは一回座りましょう！」

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