お兄ちゃんは三代目

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携帯だけ持って家とびだしてしちゃった。


頭冷やさな…。








ほんまはお兄ちゃんなんか嫌いって言うつもりはなかったけど、

あそこまで言われるとムカつく。






お兄ちゃんが潔癖症で、綺麗好きで床に何か物があったら片付けたくなる性格なん知ってるし、

レポートを捨てたことは理解できひんこともない。






実際、床に落ちるような置き方した自分も悪いし。






お兄ちゃんの言う通りまたレポートは書けばいい。




それに、パソコンに下書きしたデータがまだ残ってるはず。








そんなこより、
私が怒ってるのはレポートのじゃなくて、

お兄ちゃんの態度。







仕事か何かでイライラすんのはわかるけど…






なんであんな言い方されなあかんの…？








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鈴乃や友達に今日だけ泊めてもらえるか聞こうかと思ったけど、

みんな用事あるって今日学校で言ってた。




家に帰れって言われてるみたい。








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帰りたくないな…。









向こうの方で車のクラクションの音が聞こえたから、ちゃんと周りを見てみたら、


渋谷のスクランブル交差点近くまで来てた。








私どんだけ歩いてきてんねん。









はぁ…








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「Aちゃん？」





ハチ公の前で不意に呼ばれたから
ほんまにびっくりした。






バッタリ会うってこういうことなんやね。

こんなことあるんや。





「臣くんだ。」








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