お兄ちゃんは三代目

▽ ページ22

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Aside







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「お兄ちゃん、私のレポート知らん？」

健二郎 「レポート？」

「うん。」





レポート知るわけないよな。


ましてや、お兄ちゃんがあんな英語だらけのものを触るわけがない。






剛典 「どんなやつなの？」


「B5で文章が全部英語のやつで。
3枚くらいあって左上をホッチキスでとめてあるやつなんやけど……」



健二郎 「……」






待て。
お兄ちゃんあの顔、絶対何か知ってる顔や。





「お兄ちゃん何か知ってるん？」

健二郎 「捨てたかも。」






え？今なんて…？





剛典 「捨てた…？」

健二郎 「うん、床に落ちてたからたぶん捨てた。」






耳を疑う発言をするお兄ちゃん。







「ほんまに言うてんの？」



健二郎「うん。」



「うんじゃないし。
レポート捨てたくせにそのあっさりした態度意味わからへんねんけど。」



健二郎 「捨てたもんはしゃあないやん。」






随分とあっさりされてますね。





「なに開き直ってんの？」



健二郎 「開き直るしかないやん。
ないもんはないし。」




「まじで意味わからへんねんけど。」




健二郎 「なにが意味わからへんねん。レポートぐらいまた書けばいいやろ。
岩ちゃんいんねんから、はよ部屋戻れ。」





「なにレポートぐらいって。
はよ部屋戻れ？笑わせんといて。
誰のせいでこんなことになってると思ってんの？」




健二郎「ほんまケチやな。」




「ケチなんそっちやし。」




健二郎 「どこが？言ってみーや。」




「前釣り行った時、間違えてエサの魚をさばいちゃったら、ガチギレしたこと。」




健二郎 「それのどこがケチなんや。
当たり前やろ。」





「あんだけ大量にあったんやから、
1匹ぐらいいいやん。」






健二郎 「は？いいわけないやろ。
ほんま腹立つわ。」





「それはこっちのセリフや。
いっつもお兄ちゃんの忘れ物届けさせられて、どんだけ交通費使ったと思ってんねん。」





健二郎 「そういうところがケチなんやろ。」





「そう思うのは当たり前や。
自分のものじゃないのに。」





健二郎 「ほんまなんなん、暇人のくせに。」





「まじでありえへん。
それが忘れ物届けてもらってる人の態度？

ほんまいい加減にして！
そんなんやから、高校の時もすぐ彼女にフラれたんやろ！
人として心なさすぎや！

もうお兄ちゃんなんか嫌い！」





いいよ。お兄ちゃんなんか知らん。









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