松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

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風見「.....本日は早めに休まれたらどうですか？」





そう言われて、風見さんの左手首を覗き込む




『あと1時間だけ、それまで一緒にいてくれる？』


風見「もちろんです」









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とは言ったものの、特に話題が見つからず何か言いたげな眼鏡の奥の瞳を諭す



『.....なに？』


風見「え？....あ、いえ...」


『いいよ、パパの事でしょ？』


風見「....その....降谷さんは本当にこの件に関して尽力されて....」


『分かってるよ。....分かってるから』








かなり心配してくれた事、この二日間、全てを注いで助けようとしてくれた事

全部、全部があの抱擁と態度で伝わってる




だから、






『私、上手く出来てた？』


風見「....と言いますと？」


『ちゃんといつもの....』








込み上げてくる何かを遂に抑えきれなくなって






風見「え、Aさん！？」


『....いつもの私だったかな？』


風見「な、泣かないでください！」







慌てて差し出されたティッシュで、涙を拭う









これが嬉し泣きってやつかな









・









『私...あのまま死んじゃうんじゃないかって....すごく不安だったの....』





突然泣き出す私に未だに動揺を隠しきれていない風見さんを前に、息を整えてから、引き続き正直な言葉を紡ぐ




『パパの事だから、少なからず保護者や職務として絶対頑張ってくれると思ってた。でもあの様子からして、やり過ぎなくらいだったんでしょ？』


風見「そう...ですね....我々も困ったくらいですから」


『なんか、なんて言うのかな....』








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的確な表現が見つからなくて、秒針の音に気を取られる









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『パパが“パパ”で良かった....って感じかな？』



文として成り立っているのかと、謎に笑ってしまったが、



風見「....本当に尊敬する上司ですよ」



と嬉しそうな風見さんを見て、伝わったかどうかは分かった気がする

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