松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

213 降谷side ページ13

まもなく24時間が経過する




しかし事件は動かない









・









確保された容疑者の一人は、もう片方を庇ってか、全く口を割らない








Aの行方を言おうが言わまいが、窃盗及び誘拐の罪は確実


どのみち刑を課せられるのは決定事項である故、その重さは最終的なAの状況にある









高速道路上のカメラからある程度の範囲は絞れたが、人一人の大きさと比べると、“ある程度”では広過ぎる



しらみつぶしにでも探しに行きたい気持ちは山々だが、あまりにも非効率的である





そんな事をしていたらすぐに72時間を超えてしまう







それに加えて、実際にそのエリアであいつが降ろされたという確証も無い







全くの検討外れだった場合はそれこそ“最悪”だ









降谷「......くそ...」







どこにいる







どこだ.....









無事なのか






それとも、既に手遅れなのか.....









・









・









・









・









・









・









・









・









風見「.....ダメです。全く口を開こうとしません」


降谷「.....開かせろ」


風見「事情聴取においては刑事部に委任しておりますので我々も手が出せません」






せめてもの情けとして、事情聴取の権限は分配した




しかし、そんな事を言っている場合ではない







降谷「構わない、俺が処理をする」


風見「え！いやしかし、さすがにそこまではいかがなも.....」


降谷「命がかかっている！それを前に、プライドも何もあるわけがないだろ！」


風見「お、落ち着いてください！まだそこまで危機的な状況にあると決まったわけでは....」









こうしていつも一歩下がってしまうのは風見の方なのに、感謝されるのは俺ではない



それでも俺は出来ることをするだけだ









降谷「やるのか、やらないのか。どっちだ」


風見「......しかし.....」





自信が無いのか

戸惑いの意を見せる






降谷「.....もういい、下がれ」


風見「まさか、降谷さん....！」

214 佐藤side→←212

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す