松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

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朝日の温もりを感じて長い長い夜を終わりを告げる







いつのまにか雨は止んでいて、雨宿りのために探した大きな木のおかげで少しはしのげた


....と思う







葉から滴る雨が身に染みるほど冷たくて、ずっとうずくまって夜を越えた




地獄だった




顔を濡らしているのは雨なのか涙なのかも分からずただひたすらに泣いた





まるで“あの日”の夜のように





血と雨と涙に染められた部屋着が、さらに泥をまとって体を包む





.....私このまま誰にも知られずに死んじゃうのかな




本当だったら今頃パパと朝ごはん食べてたのに



どうして






あの時早めにお昼を食べようと思っていなければ

あの時包丁に怯えずにハッキリ電話に助けを叫んでいたら









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.....だめだ



なんとかしなきゃ




きっと私を探してくれてる人達のために、私も見つけてもらえるように頑張らなきゃ







まずは昨日車から引きずり降ろされた少し開けた場所に戻ろう



車で入ってきたってことは、どこかに道路があるってこと







記憶を頼りに歩き出す








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『はぁ....はぁ.....』



丸一日何も口にしていない


相変わらず痛みが癒えない左腕


完治していない足首が悲鳴をあげる




『....うぅ....パパ.....』



頑張ると決めた心はすぐに崩れ落ちて








なんでこんな事に





誰も教えてくれないその答えは、私のみが知る









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ーーーーーー佐藤sideーーーーーーーー




公安部が一緒にいる空間は、とても居心地の良いものではなくて



指揮権を握られている以上、私達は自由に行動出来ない







どうして誘拐事件の担当に公安部が来るのよ


それだけでなく主導権も与えるなんて





警察庁は何を考えているの









そんな事を考えていると前触れなく鳴り出すデスクの電話



それを目暮警部が取るのを皆が見守る









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目暮「2時間後に容疑者の一人が警視庁に到着する！事情聴取の準備を始めろ！」

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