松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

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風見「....降谷さん、少し休憩なさってください」






日付が変わるまで残り1時間を切る


我が上司は、7時間ほど飲まず食わずに思考を働かせている






降谷「タイムリミットは72時間だ。それ以内になんとしてでも見つけ出す」


風見「....災害時の“72時間の壁”ですね。しかし、今回は災害ではなく誘拐ですよ」


降谷「誘拐だからなんだ。建物内にいて、かつ十分な水分や食事を取れる100パーセントの保証があるのか」


風見「.....そうですね....」


降谷「それに加えて今日は大雨だ。もし外にいた場合著しい体温の低下が予想される。今俺たちがこうして無駄話をしている間にも、あいつは着実に衰弱している可能性があるんだぞ。それでも休憩していられるのか？」







......さすが我々が尊敬する上司である

全く隙がない






風見「....申し訳ありませんでした」


降谷「あいつにとっての1分1秒をよく考えろ」


風見「....痛感いたします」


降谷「長野県警からの連絡はまだか」








数時間前に長野県内の高速道路上の防犯カメラで捉えたナンバー


そこで、警察庁の立場を利用して長野県警に協力要請を行った








風見「現在捜索中との事です」


降谷「確保し次第、早急に身柄を警視庁に引き渡させろ」


風見「分かりました」









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刑事部に戻る前にふと窓の外を見つめる



依然として降り注ぐ雨




Aさん、今どちらにいらっしゃるんですか....






立ち止まった脚に、降谷さんの言葉を思い出す






止まっている時間はない









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佐藤「容疑者は、鳥羽良和26歳と、篠山隆一28歳。ともに職業不定のフリーターです。篠山には窃盗の前科があり....」






容疑者を特定した

ナンバーも分かっている

長野県内の防犯カメラでも確認された




しかしAさんが全くの別行動を取っていたとしたらどうだろうか


.....容疑者が口を割る以外では捜査は振り出しに戻ってしまう









タイムリミットまでのカウントダウンが刻一刻と我々の心臓を削る

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