松田が残していった厄介者 5【降谷零/安室透】

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なぜだ





なぜ見つからない





あのバカはどこをほっつき歩いている





自分の身の最低限くらい守れるように育ててやるべきだったと今更後悔しても遅い









・









降谷「....何も連絡が無いのか！」


「も、申し訳ありません....！ まだこれと言った報告は.....」









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日が差し込まないこの部屋では分からないが、そろそろまた暗闇に包まれる頃






どうしたらいい








・








痛い程に蘇る声と笑顔に、胸が締め付けられる







.....こんな思いいつぶりだろうか






あいつらを失った時か






また俺は同じ過ちを繰り返すのか






あんなにも身の近くに居たというのに









「....ふ、降谷さん、コーヒーお飲みになられますか...？」


降谷「.....」







小さな事にも苛立つ






「....失礼しました....」







もしこのまま今日が終わってしまったら




俺はどこに帰る




何もかもが色濃く残るあの家に帰れるはずがない








・









・









大切なものを、最後の一滴まで失ってしまったら、もはや存在する価値すらあるとは思えない









・









「あと5時間ですね....どうなさいますか？」


降谷「どうもこうもない。見つかるまで探せ」


「.....しかしそれは....」


降谷「探せと言っている！」







崩れそうな身と心を注ぎ込む


弱気になった精神を叩き直す


絶対に諦めるわけにはいかない






降谷「何があっても連れ戻せ」


「降谷さん....」


降谷「.....動かない状態で発見されたら、俺自身も含めて誰一人許さない」


「....で、出来る限りのことをさせていただきます」









バン！




風見「降谷さん！」









勢いよく開かれた扉と風見の叫び









・









・









慌てた様子に脈が跳ねる









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風見「た、ただ今、一般市民から110番の通報がありまして....」


「Aさん見つかったんですか！？」


風見「あ....いえ....その.....」








震え出す手を止められない









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風見「.....長野県内の高速道路上で、少女が亡くなっていると......降谷さん！？」









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もう限界だ









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降谷「捜索隊を全員引き上げさせろ。風見は俺と来い」

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