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トイレを出て帰ろうとすると、売店に売ってるかき氷やソフトクリームやらの広告に足が止まる
.....いいな
食べたい
今はお金持ってないし、風見さんに言えば買ってくれるかな
パパにバレないようにしなきゃ
方向転換しようと一歩下がると、
『っわ!』
誰かにぶつかる
降谷「勝手にフラフラ歩き回るな、目の届く範囲内にいろ」
『......』
今一番出会いたくない人に出会ってしまって、どうしようかと考えを巡らす
とりあえず振り返りたくはない
降谷「....どっちがいい」
『え?』
降谷「食べたいんだろ」
どうしてこうも毎回胸の内を見破られるのか
『.....じゃあかき氷』
降谷「味は」
『いちご』
まさか買ってくれるとは思わず戸惑う
降谷「自分で受け取れ。受け取ったらパラソルの所に戻って来い」
....待っててはくれないのね
・
店員「イケメンな彼氏さんだね!」
....いちいち否定するのも面倒だし、二度と会わないだろうし、別にいいや
『.....まぁ....はは....』
全く響かない乾いた苦笑い
店員「はい、かき氷いちご味ね!」
『ありがとうございます』
パラソルに戻る間に溶けてしまうのが嫌で、食べながら歩く
・
・
・
無言で食べ続ける私を、なぜかじっと見つめて来る
落ち着かないし、やめてほしいんだけど....
降谷「.....A」
『なに』
降谷「昨日は....すまなかった」
『.......食べたいの?』
降谷「は?」
『謝って私の気を良くして、一口貰おうと思ってるんでしょ』
降谷「バカか、そんなただ氷を砕いただけのものに興味はない」
『かき氷見下しすぎでしょ』
降谷「かき氷の話はどうでもいい。A、本当に心配したんだぞ。少しはこちら側の気持ちも考えたらどうだ」
そりゃ助けにきてくれた時は嬉しかったけど
そう言われると、なんて返せばいいのかわからなくなる
降谷「携帯の電源は切るし、いかにも怪しい車にも疑いもせずに乗る。そんな様子じゃ、お前をそう簡単に外に出せなくなるぞ。もう少し危機感を持て」
確かに、いつも周りの人達に守られてばかりで、“あんな世界”があるなんて思わなかった
怖かった
パパと風見さんの到着がもう一歩遅かったらと考えると恐ろしいけど、そこはもう未知の領域
『....ごめん』
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Rin.(プロフ) - pnnedc0xさん» 応援ありがとうございます! これからは更新が遅くなると思いますが、ぜひよろしくお願いします! (2018年6月24日 14時) (レス) id: 68a8014856 (このIDを非表示/違反報告)
Rin.(プロフ) - ひゆめさん» ありがとうございます!出来る限り頑張らせていただきます! (2018年6月24日 14時) (レス) id: 68a8014856 (このIDを非表示/違反報告)
pnnedc0x(プロフ) - はじめまして!追憶のディケード、松田が残していった厄介者、どちらも愛読させていただいてます!いっぱいアップしていただいてるので、私には心の癒やしが出来ております!!!海外でも頑張ってください、応援してます! (2018年6月23日 19時) (レス) id: 65c0dbf0e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 凄く面白いくて、一気読みしました!!更新頑張ってください (2018年6月23日 13時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
Rin.(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そうなんですね!? 海外在住者同士、日本の安全は降谷さんに託しましょう(笑) これからもぜひこの作品をよろしくお願いします! (2018年6月23日 6時) (レス) id: 68a8014856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rin. | 作成日時:2018年6月11日 16時