松田が残していった厄介者【降谷零/安室透】

20 降谷side ページ20

降谷「おい、風見」





どういう意味だ

急にネクタイが似合っているなんて、別に初めて付けたということでもあるまいし

それに、似合ってたら車乗りたくないのか？

それはもっと訳が分からない





風見「....はい、なんでしょう。」


降谷「俺今日、何かいつもと違うか？」


風見「......特に変わったところはお見受けしませんが....。強いて言えば、今日はカリカリしていないようなので、朝喧嘩しなかったんですね！」


降谷「....それはそうだが、そういうことじゃない。ネクタイが似合ってたら車に乗りたくないものなのか？」


風見「......はい？仰ってる意味が....」


降谷「.....ならいい、仕事に戻れ」


風見「もしかして、Aさんに何か言われたんですか！？」




説明するのは少し躊躇したが、風見なら何か聞いているかもしれない




降谷「.....昨夜、あいつの部屋に行こうとしたら中から声が聞こえて、俺の運転姿がカッコいいとか言ってたから、今朝送ってやろうかと聞いたのに嫌だと拒否され、代わりに今日のネクタイが似合ってると言われた。.....ってなんでお前が楽しそうなんだ」





やけにニヤニヤしている風見が気色悪い





風見「お二人とも、成長しましたね！この風見嬉しいです！」


降谷「は？ 分かるように説明しろ」


風見「それは直接Aさんに聞いてみたらどうですか？ 私も詳しい話は知りませんので」


降谷「聞いたが教えてくれなかった」


風見「....さすがに私もAさんからネクタイの話は聞いた事ありませんから....。運転の話も私は初耳です」




Aのやつ、風見に話してない事もあるんだな




降谷「ならどうして成長したと思ったんだ」


風見「今までAさんが、降谷さんに対してどう思っているかなんて、直接降谷さんにお話しした事など無かったではありませんか！」


降谷「それは確かにそうだが、なぜ俺も成長したことになっている」


風見「いつも空回りしていた行動が、やっと要点を掴みましたから！結局拒否されて未遂に終わってますが.....しかし、喜ばせたいのであればそういう事ですよ！」


降谷「......もういい、暑苦しい。さっさと戻れ」








喜ばせたい....か


.....明日は肉じゃがにするか

21→←19 降谷side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す