追憶のディケード 2【安室透/降谷零】

98 安室side ページ48

いつもと雰囲気が違うAに落ち着かない





今すぐにでも着替えさせたいところだが、この日のために準備して来たものなのだろうと思うと、申し訳なさからさすがに言い出せない



おまけに“守ってくれるんでしょ”なんて言われた俺の理性はどうすればいい



どれもこれも素でやっているのだから恐ろしい



あの無防備さをどうにかしてもらわないと、とても安心できない


初っ端からナンパされてるし...



男性が苦手なのが唯一の救い







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怖いと嫌がるAを半ば無理やりお化け屋敷に連れて来たが、Aが仕掛けに驚く前に俺の心臓がもたない




最初は俺の服の裾を掴んでいたが....





『もう....無理です....うぅ』



半分くらいまで来たところで泣き出してしまった




安室「Aさん、もう少しです。頑張りましょう」



『安室さんはなんで怖くないんですか....』



黒ずくめの組織の人間の方がよっぽど怖いからとか言えない


安室「ここで脅かしてくるスタッフの人は、お客さんに触れてはいけないルールになっています。そう思うと気持ちが楽になりませんか？」



『.....なりません』



駄々をこねる姿でさえ愛しいと思える俺は重症なのかもしれない



安室「....しょうがないですね。おんぶならしてあげられますけど、どうしますか？」



コクンと小さく頷くAは、良い意味で27歳にはとても思えない。









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よっぽど怖かったのか背中から鼓動が伝わる




.....お化けが出てきても驚かない



安室「Aさん、目瞑ってるんですか？」


『はい....』


安室「それじゃお化け屋敷に来た意味ないじゃないですか」


『私にはその意味は必要ないので....』




本当に困った子である

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