もうただの一般人なんて言わせない【安室透/降谷零】

１０７話 ページ10

そういえば、随分とご無沙汰だったなぁと考える。



骨折した時は勿論できなかったし、いざ治ったと思ったらまた手のひらを切って怪我………。



そしてお互いの、まぁ主に安室さんの仕事の都合もあわず……。




数えてみると２ヶ月以上間が空いていて思わず乾いた笑いが出た。



………そうかぁ、随分我慢させちゃったなぁ




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夜 就寝前




ドアノブに手をかけてはやめ、かけてはやめを先程からもう何回も繰り返している。




もう既に晩御飯は食べ終わり、お風呂にも入った。



後は寝るだけである。



もんもんと悩み、なかなか寝室に入れないでいた。



だ、だってここを開けたら多分安室さんがベッドにいるわけで………



つまりは、そういうことだ。



ずっとしてなかったからか、心臓の動くスピードが尋常じゃなく速い。



む、むり………やっぱ無理！！！





ｶﾞﾁｬｯ




『！？』




心の中で叫ぶと、目の前のドアがいきなり開いた。



そしてなんだか焦った顔の安室さんと目がバッチリ合う。




びっ、くりしたぁ……………




「あ……い、いたのか」




『う、ん……』




「なかなか来ないから、逃げられたかと………」




ぷっ、と吹き出しそうになった。





だ、だからどこによ…！！




緊張が少し解けた気がした。




まるで捨てられた犬のような表情をした安室さんは、そんな私を見て無言で手を引く。




『わっ……』




ﾊﾟﾀﾝ




そして静かにドアを閉めた。




それから噛みつくようにキスをされれば、もう流れは完全にあちら側。




これから熱い夜になりそうだった…____


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