103話 ページ6
『……私、護身術でも習おうかな』
小さな声だったが、確かに聞き取ったそれは__
「……え?」
とても、的が外れた答えで。
『いやあ、私も今日痛感したんだよ。零といると危険なこといっぱいあるなって』
うぐ、と口を紡ぐ。
『でも零だって公安やって探偵もやって潜入までして……すごく忙しいでしょう』
『私が弱いから、あなたはそんなに悩んでる』
『だからさ』
彼女は僕の涙を拭うと、ニコリと笑って言った。
『私が強くなれば、もう心配かけなくて済むでしょ?』
ポカン……としばらくあいた口が塞がらなかった。
きっと彼女は、怖がって別れを切りだしてくると。
そう、思っていたんだ。
もしそうなったら、僕も折れようって。
そう思ってた。
けど彼女から返ってきた答えは予想の遥か上を行き。
僕を心底驚かせるには十分すぎた。
「え、や、あの…」
『あっそうだ、蘭ちゃんに空手教えてもらうってのはどうかな!?』
蘭ちゃんめちゃカッコいいし!と話を違う方向へとどんどん進めていくAに戸惑う。
なんで、なんで君はそうなんだ。
「………いいのか、僕のそばにいて」
危険なんだ……そういう仕事、そういう人生だから。
彼女に対しての、最終忠告だった。
そう僕が言えば、彼女はまたいい笑顔を僕に向けた。
『そんな危険、強くなってどうってことなくすればいいじゃん!』
、
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レモン - 読んでて、ハラハラしたり、思わず笑ってしまったり、とにかく楽しいお話でした! おもしろい小説ありがとうございます! これからも頑張ってください! (2019年12月12日 15時) (レス) id: 3deba30f55 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白かったです!! 最後「夢の国」でえぇっー、そこはトロピカルランドでしょ!?と思わずツッコミましたww 降谷さん視点好きですわ、強いて言うなら「僕」じゃなく「俺」が良かったです (2019年3月2日 0時) (レス) id: 397416eb50 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - ナオさん» ありがとうございます。番外編のリクエストまでいただけるとは!考えてみますね! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - きのんさん» 結婚後ですか!考えてみます!ご愛読ありがとうございました。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 素敵なお話でした!是非、その後のお話を番外編で読みたいです! (2018年7月26日 20時) (レス) id: be73906264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リン | 作成日時:2018年6月23日 17時