140話 ページ43
金髪に褐色肌、澄んだ薄藍の瞳はなんだか揺れている。
額に汗をかいていて、息があがっていたためここまで走ってきたことはあきらかだった。
なんでここに…?
『安室さん?』
驚いて彼に近寄ると、はっはっと息が上がったまま凝視された。
え、なに
彼はその綺麗な瞳に私の姿を映すと、急にうつむいてわなわなと震え出した。
私は困惑して彼の肩に手を置く。
するとその腕をガシリと捕まれた。
「か、」
『か?』
「帰ってくるの遅いんだよこのアホ!!!!!」
ぐわっと般若のような面で安室さんに怒鳴られる。
『ひいいいすみませんすみませんすみません!!!!』
私は涙目になりながらわけもわからず必死で謝った。
す、少し遅くなったくらいでそんな怒る!!??
安室さんから逃げるように掴まれていない方の手で頭を抱え込み、とりあえず殴られないように守った。
すると安室さんの長いため息と共に、ぽん、と頭に手を置かれる。
なんだかとても疲れきった様子で、私はもう一度安室さんの名を呼んで彼を見上げた。
苦しそうな、それでいて安心したような表情をしている。
「……っなんだよ……僕はてっきり、お前が奴等のこと気にかけ始めたんじゃないかと…………心配で……!」
くしゃと顔を歪ませ泣きそうになっている安室さんを見て、工藤邸でコナン君に聞かれたことを思い出した。
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レモン - 読んでて、ハラハラしたり、思わず笑ってしまったり、とにかく楽しいお話でした! おもしろい小説ありがとうございます! これからも頑張ってください! (2019年12月12日 15時) (レス) id: 3deba30f55 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白かったです!! 最後「夢の国」でえぇっー、そこはトロピカルランドでしょ!?と思わずツッコミましたww 降谷さん視点好きですわ、強いて言うなら「僕」じゃなく「俺」が良かったです (2019年3月2日 0時) (レス) id: 397416eb50 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - ナオさん» ありがとうございます。番外編のリクエストまでいただけるとは!考えてみますね! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - きのんさん» 結婚後ですか!考えてみます!ご愛読ありがとうございました。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 素敵なお話でした!是非、その後のお話を番外編で読みたいです! (2018年7月26日 20時) (レス) id: be73906264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リン | 作成日時:2018年6月23日 17時