126話 ページ29
スコッチの周りの人間の情報は、スマホが破壊されたことなよって消えた。
今考えれば、それらのうちの一人である彼のいう"惚れた女"が、目の前にいる楢崎Aであると理解できる。
………皮肉なものだ。
自分が惚れた女が、親友であり仲間でありそして自分が死ぬ原因になった男と今恋人同士なんて。
降谷くんに真実は伝えられないし、彼と「恋人」という接点を持っている彼女にも、本当なら俺がスコッチを殺したと言うべきなのだろう。
___が、
「……いいや、俺は撃ってない」
口は俺の考えとは反対に動いていた。
彼女が降谷くんに言わないだろうと言う信頼からか、それとも…………?
『……そうですか、それが聞ければ充分です』
俺の様子をじっと伺っていた彼女は、ふわりと笑うとソファーから立ち上がった。
その笑顔につい身体が固まったが、コーヒーごちそうさまですと帰ろうとする彼女にハッとした。
「聞かなくていいのか?」
俺もソファーから立ち上がり彼女を止めると、彼女は背中を向けたまま足を止めた。
『…安室さんにいつか教えてもらうので、いいです』
顔は見えないのに、彼女が優しく笑っているのがわかる。
なんだかのろけられた気分だ。
『お邪魔しました』
そう言って軽く頭を下げ玄関へ向かった彼女を、俺は沖矢昴のマスクをつけ直して追った。
まさに、相思相愛って感じだな…。
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レモン - 読んでて、ハラハラしたり、思わず笑ってしまったり、とにかく楽しいお話でした! おもしろい小説ありがとうございます! これからも頑張ってください! (2019年12月12日 15時) (レス) id: 3deba30f55 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白かったです!! 最後「夢の国」でえぇっー、そこはトロピカルランドでしょ!?と思わずツッコミましたww 降谷さん視点好きですわ、強いて言うなら「僕」じゃなく「俺」が良かったです (2019年3月2日 0時) (レス) id: 397416eb50 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - ナオさん» ありがとうございます。番外編のリクエストまでいただけるとは!考えてみますね! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - きのんさん» 結婚後ですか!考えてみます!ご愛読ありがとうございました。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 素敵なお話でした!是非、その後のお話を番外編で読みたいです! (2018年7月26日 20時) (レス) id: be73906264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リン | 作成日時:2018年6月23日 17時