122話 ページ25
それから、安室さんは毎日のようにお店に来てくれた。
私が元気がないと、ご飯に連れてってくれたり。
花言葉だって、私の知らないようなことまで教えてくれたりした。
私の心は、安室さんのおかげで確実に満たされていって。
景光さんのことは一生忘れないけど、いつしか安室さんに惹かれていた。
安室さんも警察だから、もう気持ちを伝える前に大切な人がいなくなってしまうのが嫌で。
ある日彼が店から出る際に、思いきって気持ちを伝えた。
『………好き』
「!!」
『………あなたが好きです、安室さん』
声は震え、彼の服の裾をきつく握りしめた。
安室さんはひどく驚いていて。
いつもは全く崩さないその顔を、初めて崩していた。
掴んでいた服を離すと、今度は彼から肩を勢いよく捕まれた。
うつむいたから表情が読み取れなくて戸惑う私に、安室さんはぼそりと呟いた。
「______コチョウランを……………」
『え…?』
彼の口から出た言葉は、私と景光さんを初めて繋いだあの花の名前。
彼らとの最初の思い出。
「……ピンクの、コチョウランをください」
顔をゆっくりとあげた安室さんの表情を見て、私は目を見開く。
耳まで真っ赤だった。
愛を伝える薔薇みたいに。
私もつられて頬がどんどん熱くなる。
「………君に、もらってほしい」
『………〜っ!!』
少し無邪気に笑う安室さんに、彼の言葉の意味を理解した私は勢いよく抱きついた。
優しく抱きとめられて、胸が熱くなって、
あぁ、私
この人が好きだって。
そう思った。
ピンクのコチョウランの花言葉
_貴方を愛しています_
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レモン - 読んでて、ハラハラしたり、思わず笑ってしまったり、とにかく楽しいお話でした! おもしろい小説ありがとうございます! これからも頑張ってください! (2019年12月12日 15時) (レス) id: 3deba30f55 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白かったです!! 最後「夢の国」でえぇっー、そこはトロピカルランドでしょ!?と思わずツッコミましたww 降谷さん視点好きですわ、強いて言うなら「僕」じゃなく「俺」が良かったです (2019年3月2日 0時) (レス) id: 397416eb50 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - ナオさん» ありがとうございます。番外編のリクエストまでいただけるとは!考えてみますね! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - きのんさん» 結婚後ですか!考えてみます!ご愛読ありがとうございました。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 素敵なお話でした!是非、その後のお話を番外編で読みたいです! (2018年7月26日 20時) (レス) id: be73906264 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リン | 作成日時:2018年6月23日 17時