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121話 ページ24

散々泣きまくった後、二人で誰もいない店内に入ってタオルで髪や服を拭いた。



お互いに沈黙を続けていたが、私からそれを破りにいった。



『…彼は、最後まで勇敢でしたか』



タオルを首にかけ、安室さんの方を見上げて小さく呟く。






彼は、警察としての誇りを持っていましたか。






私の大好きな、彼でしたか…______





安室さんはしばらく私を見つめたあと、静かに微笑んだ。




「………あぁ、アイツの正義を貫き通していたよ」



そう呟く安室さんの優しい顔を見て、薄く笑みがこぼれた。




そっか、彼はそうだったか。




『………じゃあ、彼の仏花にしてほしい花があるんです』












安室さんをその花の前まで連れていくと、一本抜き取り彼に渡した。




「………これは」



『ガザニアです、花言葉は___』









____貴方を、誇りに思う…____




きっと景光さんは、私に笑ってくれと言う。



だから、もう悲しみの涙は流さない。



優しく安室さんに微笑めば、彼は目尻に涙を浮かべ、くしゃりと前髪をかきあげた。






「ふ………アイツにぴったりな花だな………、ありがとう、A」



ぽん、と頭を優しく撫でられて。



ぽっかり穴が空きそうになっていた心が、少し満たされた。




色をまた失った私の人生が、うっすら再び色づき始めたような気がした。



安室透という男が、この時初めて私の中に明確に刻まれた。

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レモン - 読んでて、ハラハラしたり、思わず笑ってしまったり、とにかく楽しいお話でした! おもしろい小説ありがとうございます! これからも頑張ってください! (2019年12月12日 15時) (レス) id: 3deba30f55 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白かったです!! 最後「夢の国」でえぇっー、そこはトロピカルランドでしょ!?と思わずツッコミましたww 降谷さん視点好きですわ、強いて言うなら「僕」じゃなく「俺」が良かったです (2019年3月2日 0時) (レス) id: 397416eb50 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - ナオさん» ありがとうございます。番外編のリクエストまでいただけるとは!考えてみますね! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - きのんさん» 結婚後ですか!考えてみます!ご愛読ありがとうございました。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 素敵なお話でした!是非、その後のお話を番外編で読みたいです! (2018年7月26日 20時) (レス) id: be73906264 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リン | 作成日時:2018年6月23日 17時

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