6話 ページ28
『待ってください』
Aが目暮の後ろから凛とした声をあげた。続けて、新一が薄ら笑いを浮かべながら確信したように言う。
「彼女は犯人じゃありません」
彼の言葉に現場がどよめいた。銀髪の男はそれを聞き、出しかけた手をポケットの中へと戻した。それを目敏く見ていた#b#は、一人目を細める。何を出そうとしていたのかわからなかったが、まるで拳銃を握っているような素振りだった。
「なんだって!?しかし凶器が…」
『あんなもので人間の首は切断出来ません』
「特に女性の力ではね」
Aたちの説明に愛子は納得し目を見開く。千葉は彼女の手を一旦離し、二人の声に耳を傾けた。
「じゃあ、一体誰が被害者を…」
目暮がそう問うと、二人はふっと笑って真剣な顔つきになった。
『コースターの上で、岸田さんを殺害した犯人は……………』
「『貴方だ!!!!』」
二人は真っ直ぐ犯人を…____ひとみを指差した。周りがどよめいて一斉にひとみに視線を集める。
「なっ、何言ってるのよ!貴方も見たでしょう、愛子のバッグから凶器が出てきたのを!?
それに、貴方が言ったじゃない!女の力じゃ無理だって!!」
ひとみはすぐに二人に言い返した。
「確かに女性の力では無理だ。けど、このコースターの速度を利用すれば可能です!」
新一に図星をつかれ、ひとみは言葉を詰まらせる。#b#はその反応を見たあと徐に目暮を見た。
『警部。一度犯行を再現したいのですが、ご協力願えますか?』
「うむ、それは構わんが…」
ありがとうございます、と礼を言うと、Aは新一と共にコースターに向かった。
二人の後ろ姿をじっと見つめる人物がいるにもかかわらず…____
『では、今から事件当時の状況を説明します』
「Aがひとみさん、目暮警部が被害者の座っていたシートに座っています」
新一の言った通り、Aは一番前の左側のシートに座り、目暮はその二席後ろに座っていた。そしてひとみが、どうやって岸田を殺害したのか説明し始める。
『まず、安全バーを下ろす前に、鞄か何かを背中とシートの間に挟んでおきます。そして安全バーを下ろし、背中から鞄を抜き取ると…』
Aが説明しながらその通りにやってみせると、現場にいた全員があっと驚いた。
「ほうら、簡単に安全バーから抜け出せるんです」
新一がAを指差しながら続ける。彼女はそのまま、新一の説明に合わせて動き始めた。
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mリン(プロフ) - 宵夜さん» こんにちは、コメントとご指摘ありがとうございます!修正が上手く行ってなかったようです。教えてくださりありがとうございました。また何かありましたらコメント宜しくお願いいたします! (2022年3月20日 16時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
宵夜(プロフ) - とても面白くて良かったです!少し質問なんですが、ページ14の『(小さくなったあなたの仮名)』って目次ページで設定したものですか?変換されていないようでしたので一応報告と思い…不快であれば消して頂いても構いません。 (2022年3月11日 0時) (レス) @page14 id: 5d45bacd52 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - マナさん» 久しぶりにきたのでご返信が遅くなってしまい申し訳ありません。数年前の私が作成した拙い内容ですがそれでも宜しければどうぞ使ってやってください…!わざわざコメントありがとうございます! (2022年2月20日 14時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 私なりに作品を参考させてもらっていいですか? (2022年1月30日 8時) (レス) @page1 id: 25d45421cb (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!映画沿いもありますので是非ご覧ください。 (2019年5月22日 7時) (レス) id: 148773b33b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mリン | 作成日時:2017年4月21日 21時