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5話 ページ27

「なっ?!あ、あたし知らないわよ!そんなの!」


包丁が見つかったバッグの持ち主である、被害者の彼女が驚いて声をあげる。


「愛子!なんでそんなことしちゃったのよ!!」

「違う!信じて、あたしじゃない!!」


愛子の友達のひとみと礼子が、彼女から後ずさって叫ぶ。彼女たちは新一たちの前に乗っていた。犯人と疑われた被害者の彼女、愛子は、涙を流してその場にいる全員に訴えた。


「岸田くんとは上手くいってたと思ってたのに…!どうして!?」


ひとみが愛子と同じように涙を流して問う。それを黙って見ていた新一は、ひとみの目尻にある薄い線の跡を見て目を光らせた。


「A」

『うん、わかった。……犯人の正体が』


二人はゆっくり立ち上がると、現場を一度くるりと見渡し、犯人を鋭く見つめた。


「オラオラァ!犯人はそのアマで決まりだ!!俺たちゃ帰らせてもらうぜ!!」


サングラスの男が吐き捨てるように言う。その隣にいる銀髪の男はハットを深くかぶり直しながら口角をあげた。


目暮はううん…と考えた後、千葉に愛子を同行するよう命じた。愛子はそんな…と涙を流しながら目を見開く。物的証拠が出てきた以上警察としてとるべき行動はそれしかなかった。目暮も目をつぶって耐えている。



二人の男達は愛子が連れられることがわかると、踵を返して現場を離れようと足を進めた。もう少しで出るという所で、目暮が二人を牽制するように千葉への命令に続ける。


「それと、念のため現場にいた皆さんの身元を確認させて頂きます」


その言葉に二人の男は現場を出る直前でピタリと足を止めた。目暮に背中を見せたまま、何か意味ありげな表情で彼を睨む。



「………問題は、ありませんな…?」


目暮はそう言うと、男二人の方へゆっくりと近づいていった。サングラスの男は冷や汗をかき、銀髪の男はポケットの中に入れた左手をゆっくりと出そうとしていた。




コツ、コツ、コツ


目暮の足音が徐々にに二人に近づく。



男の手がポケットから出かかった。




その時。

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mリン(プロフ) - 宵夜さん» こんにちは、コメントとご指摘ありがとうございます!修正が上手く行ってなかったようです。教えてくださりありがとうございました。また何かありましたらコメント宜しくお願いいたします! (2022年3月20日 16時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
宵夜(プロフ) - とても面白くて良かったです!少し質問なんですが、ページ14の『(小さくなったあなたの仮名)』って目次ページで設定したものですか?変換されていないようでしたので一応報告と思い…不快であれば消して頂いても構いません。 (2022年3月11日 0時) (レス) @page14 id: 5d45bacd52 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - マナさん» 久しぶりにきたのでご返信が遅くなってしまい申し訳ありません。数年前の私が作成した拙い内容ですがそれでも宜しければどうぞ使ってやってください…!わざわざコメントありがとうございます! (2022年2月20日 14時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 私なりに作品を参考させてもらっていいですか? (2022年1月30日 8時) (レス) @page1 id: 25d45421cb (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!映画沿いもありますので是非ご覧ください。 (2019年5月22日 7時) (レス) id: 148773b33b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2017年4月21日 21時

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