4話 ページ26
「………なるほど。ジェットコースターには事故や故障の痕跡は全く無いし、状況からして自 殺の線も薄い…」
新一とAは、事件が起きた時の状況を事細かに説明する。目暮はコースターの乗り物を凝視した後、難しい顔で彼らの方へ振り返った。
「ええ、ですから警部、これは明らかに殺人事件です」
『そして容疑者は…事件当時同じコースターに乗っていた我々七人の中にいます』
目暮はふむと考え、新一に何やら耳打ちされた後集まっていた野次馬に現場から離れるよう指示を出した。
新一、A、目暮の三人は地面にコースターを図で再現した紙を置いて囲んだ。そして順に、誰が何処に乗っていたかを確認していく。
「工藤くんや櫻井くんをとりあえず除外して考えると…、容疑者は全部で五人か」
『新一、一度事件を再現した方が良いんじゃない?』
「そうだな。警部、ご協力願えますか」
「あぁ、それは構わんが…」
ザッ
三人が話していると、突然後ろから足音が聞こえた。そしてその音を鳴らした人物から声をかけられる。Aは何故か嫌な予感がして、ゆっくりと顔を後ろに向けた。
「おい、はやくしねぇか。俺達は探偵ごっこに付き合ってる暇なんか、無いんだぜ…?」
低い、冷たい声。しゃがんでいる新一達を見下ろすその人物と視線を合わせたその瞬間、二人は身体を凍りつかせた。
「あ、兄貴…!」
サングラスをかけたもう一人の男が、声をかけてきた男をそう呼ぶ。男は長身でハットを深く被っており、その下からは長い銀髪が腰まで降りていた。目元は影を作っており、顔はよく見えない。
「すみません、」と目暮が立ち上がって相手をするその横で、新一とAは目を見開き震えていた。
(なんだ…、こいつのこの、凍りつくような目は…!?)
(まるで、何人も殺してきたような…冷たい目…!)
二人の心臓がバクバクと激しく脈打つ。これ以上コイツと目を合わせていてはいけないと、本能が叫んだ気がした。
「目暮警部!」
目暮の部下である千葉刑事の声で、二人はやっと我に帰った。銀髪の男から目を離し、千葉の方を向く。彼の手には布に包まれた包丁が握られていた。隣には被害者である男の彼女が立っていた。
「調べたら、彼女のバッグからこれが…。」
包丁を見て目暮が顔をしかめる。包んでいる布には血がにじんでいた。
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mリン(プロフ) - 宵夜さん» こんにちは、コメントとご指摘ありがとうございます!修正が上手く行ってなかったようです。教えてくださりありがとうございました。また何かありましたらコメント宜しくお願いいたします! (2022年3月20日 16時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
宵夜(プロフ) - とても面白くて良かったです!少し質問なんですが、ページ14の『(小さくなったあなたの仮名)』って目次ページで設定したものですか?変換されていないようでしたので一応報告と思い…不快であれば消して頂いても構いません。 (2022年3月11日 0時) (レス) @page14 id: 5d45bacd52 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - マナさん» 久しぶりにきたのでご返信が遅くなってしまい申し訳ありません。数年前の私が作成した拙い内容ですがそれでも宜しければどうぞ使ってやってください…!わざわざコメントありがとうございます! (2022年2月20日 14時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 私なりに作品を参考させてもらっていいですか? (2022年1月30日 8時) (レス) @page1 id: 25d45421cb (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!映画沿いもありますので是非ご覧ください。 (2019年5月22日 7時) (レス) id: 148773b33b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mリン | 作成日時:2017年4月21日 21時