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39話 ページ40

『奴らがこれから潜ろうとしてるのは、昨日鮫に襲われた場所……』


そこまで言うと美馬も夏樹の考えが理解できたらしく、彼は驚いた声をあげ続けた。


「囮に使うつもりなのか!?」

『…おそらくね』


夏樹はスッと目尻を細め眉間に皺を寄せた。心の中で唯一無二の幼馴染み達の安否を心配する。ふと、コナンが視線の先に何かを見つけ舳先まで駆けて前方を指差した。そこには波間に揺れている『グロット』のモーターボートがあった。美馬が慎重に漁船を近づけると、夏樹も外へ出てコナンの横に並ぶ。

モーターボートには誰も乗っておらず、海水と雨水で濡れた床には血痕が残っていた。それを見つけた夏樹は一足遅かったことに目を見開き、ぐっと耐えるように俯く。


「どうする!?もうあまり時間が…」


操縦室から出てきた美馬がコナンに判断を委ねると、彼は夏樹の背をそっと支えながら振り返った。


「頼親島へ行って!」

「何…!?」

「僕らなら女神の入り口からでも入れるんじゃない!?」


夏樹も決心したように顔を上げ、二人は美馬を真剣な眼差しで見つめた。彼らがただの小学生ではないことに気付き始めていた美馬は、二人が本気で蘭達を助けたいのだと分かり、少し考えた後頷いて再び頼親島へ舵を切った。

頼親島へと到着すると、コナンと夏樹は風に煽られながら漁船を降りた。美馬に『二人の女神』の入り口の場所を教えて貰い、しっかりと頷く。


「三十分が限界だ。戻れなくなるからな」

「うん、ありがとう」

『必ず蘭姉ちゃん達を連れて帰るから!』


二人が蘭達を助けてくるのを信じてギリギリまで待つという美馬にお礼を言い、彼らは急いで入り口へと向かった。少し上がった所、鳥居の先にある祠には、美馬の言った通り二体の女神像が祀ってあった。アン・ボニーとメアリ・リードだ。

その裏へ回れば、ぽっかりと洞穴が開いている。しかしそれを塞いであった金網はひしゃげており、大人でも通れそうな大きさだった。おそらく地震で再び穴が広がったのだろう。二人は顔を見合わせて暗い穴の中へと入っていった。



===

暫く進むと、下から風が吹いていることに気づいた。


『新一…!』

「あぁ、繋がってるぞ!」


きっとこの先に蘭達がいる。そう確信し、二人は穴を進むスピードを上げる。ふと、夏樹は背後に何者かの気配を感じ、ゆっくりと振り返った。

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紅茶 - もう最高すぎです!新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています!更新を楽しみにしています! (2月22日 13時) (レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます!更新を楽しみにしてます! (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか?してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ!ありがとうございます…!本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2023年4月3日 2時

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