検索窓
今日:54 hit、昨日:87 hit、合計:15,623 hit

34話 ページ35

「アンとメアリの宝を探すためにこの島に来た………そして居ついちまったってわけだ。島の女に惚れて結婚し、漁師を始めた…」


美馬は懐かしむように話しながら机の引き出しを開けると、一枚の紙を取り出し子供たちに見せた。


「三百年前のものだ」


茶色く色褪せたそれは、スペイン語で書かれた神海島の古い地図だった。覗き込んだ夏樹は、その地図の四隅と中央に書かれた見覚えのある数字を見て「あっ!」と声をあげる。


『光彦、宝探しマップ見せて!』

「えっ、あ…はい!」


光彦は先程哀に言われ、数字を分けるように切った宝探しマップを机の上に出した。その番号と、地図に書かれた番号を見比べる。それらの数字と色は、宝探しマップに集めた五種類のスタンプと全く同じだった。


「…そういうことだ」


それに気づいた二人が顔をあげると、美馬は小さく微笑む。


「この地図が基になってるんだ…」

「観光課長の岩永がこれと同じ古地図を基に作ったのさ。まだ誰も解いた者がいない暗号だからな」

『三百年前に考えられたんだ……それも、アン・ボニーによって』


それを聞いた光彦は「えっ!?」と驚いた声をあげた。


「それじゃあ…もしかしてこれを解けば、本当にお宝が…!?」

「そうなるな」


美馬が笑って頷くと、子供たちは一気に瞳を輝かせた。部屋の襖に背中を預け、腕を組んで立っていた哀がふと口を開く。


「三百年前ってことは、所や番地じゃなさそうね」

『うん』

「一番ポピュラーなところで、アルファベットか…」

「えーっと、そうすると『5』は…!」


光彦はマジックペンを取り出すと、興奮した様子で先程机の上広げた数字の紙を見た。時々哀に助けられながら、彼らは急いでそれらの裏に対応するアルファベットを書いていった。

全ての数字の裏にアルファベットを書き終えると、光彦はそれを赤い番号と青い番号に分けて並べた。

上の赤い番号が『J』『L』『L』『O』『Y』
下の青い番号が『E』『G』『O』『R』『R』


「あとは組み合わせだろう」


コナンの言葉に一同が机に並べられたアルファベットの意味を考える。ふと歩実が「名前かなぁ…」と首を傾げた。


「赤が苗字で、青が名前とか」

『いい線だね』


同じことを考えていた夏樹は歩実を見てニッコリ笑う。誉められてポッと頬を赤く染めた歩実は、アルファベットの紙に視線を落とし今度はその順番を考え始めた。

35話→←33話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅茶 - もう最高すぎです!新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています!更新を楽しみにしています! (2月22日 13時) (レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます!更新を楽しみにしてます! (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか?してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ!ありがとうございます…!本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mリン | 作成日時:2023年4月3日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。