32話 ページ33
カットラスとピストルを観光館から盗み出し、島を抜け出すのも簡単だったはずだ。それなのに松本達はわざわざ目暮達もいるこのタイミングで盗みを働いた。その行動はまるで…___
(何かに焦ってるように思える……。まさか、宝が見つかったんじゃ…?)
そう考えると、彼らが逃げずに島に滞在したままなのも納得がいく。それに、サメに襲われた時彼らは海底宮殿の近くにいたらしいし…。あり得なくはない可能性に妄想がどんどん膨らんでいく。
「あの…東京からの応援は…?」
岩永が伺うようにたずねると、目暮は首を横に振った。どうやら低気圧の影響で、ヘリも船も出せないらしい。それくらい酷い嵐になるようだ。これは、早く事件を解決しなければならない。目暮は真剣な表情で、その場にいる一同を振り返った。
「我々だけでやるしかない。松本達を探し出すことも、彼らの命を狙っている犯人を、見つけ出すことも…」
その言葉で、一同に緊張感が走る。そこまで聞き終えて、二人はそっと窓から離れた。コナンは夏樹の手を引くと、自転車を停めた駐輪場まで戻ってくる。
「どう思う?A」
『…トレジャーハンター達を狙ってる犯人の検討は、大体ついてる』
「俺もだ。だが肝心の宝の在りかを突き止めねぇと、その先はどうにも…」
『そうだね』
夏樹は頷き暫く考えると、ふと閃いたように指を立てた。
『なら、その宝の在りかを知ってそうな人に話を聞いてみるってのはどう?』
彼女の言葉に、コナンもハッとする。頭の中に思い浮かべた人物はどうやら同じらしい。夏樹は自分の乗ってきた自転車に跨がるとニヤリと口角をあげた。「だな」と返事をしたコナンは同じ様に自転車に乗り、二人で役場をあとにするのだった。
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神海荘に戻った二人は、庭で薪割りをしていた美馬の背後から近づき、彼に声をかけた。
「おじさん」
「ん?何だ…」
大きな切り株に腰掛けていた美馬は、チラリと二人を振り返った後、すぐに薪割りの作業を続ける。コナンは小学生口調だが、確信めいた様子で話を切り出した。
「あのハンターたち、どうして観光館からカットラスとピストルなんか盗み出したのかなぁ?」
『トレジャーハンターだったら、目的は宝探しのはずでしょ?』
「なのにあんなものを盗み出したってことは、それは宝を見つけるのに必要なものだったんじゃない?」
「………」
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紅茶 - もう最高すぎです!新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています!更新を楽しみにしています! (2月22日 13時) (レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます!更新を楽しみにしてます! (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか?してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ!ありがとうございます…!本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mリン | 作成日時:2023年4月3日 2時