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28話 ページ29

「どうした?」

『ここ見て、新一』


不思議に思ったコナンも、同じ様にしゃがんで夏樹が指差した部分を覗き見る。元太が借りた自転車のサドル裏に小さなランプが点灯していた。


「これは…GPSか?」

『多分…』

「GPSじゃと?何で自転車に……」


二人の会話を聞いた博士は驚いた声をあげる。しっかり確認したところ、やはりそれは通常パソコンなどに使用される小型GPSとそのバッテリーだった。光って見えたのはGPSの作動ランプだったようだ。他の自転車も全て調べてみたが、どの自転車にも細工はされておらず、GPSが取り付けられていたのは元太が乗っていた一台だけだった。


(一体何のために………)


コナンと夏樹は顔を見合わせ眉をひそめると、食堂へ足を進めた。

一方食堂では、テーブルの上に昨晩と同じ様に食事が用意されており、蘭や園子、子供達が三人を待っていた。お腹が空いて早くご飯を食べたい元太は、不機嫌に悪態をつく。


「ったく、何やってんだよコナンと夏樹のやつ!」

「すぐ来るからもうちょっと待ってよ?」


そんな彼を蘭が宥めていると、漸く三人が食堂に顔を出した。


「ほら来た」

『お待たせ』

「おせーぞ、お前ら!腹減りすぎちゃったぜ!」

「わりぃわりぃ………あれ?おじさんは?」


蘭の左隣に夏樹、その横にコナンと博士が座る。小五郎がいないことに気づいたコナンは、不思議そうに蘭を見た。


「うん。朝から捜査会議だって言って、役場に行ってるわ」

「ふ〜ん…」


目暮達も島に残ったらしいので、きっと松本達に関する捜査会議に呼ばれたのだろう。それならおじさん、朝ごはん食べてないんじゃ…と夏樹が心の中で心配する傍ら、蘭は「じゃあ、皆揃ったから…___」と正面に向き直った。


「いっただきまーす!」


嬉しそうに声をあげ箸を持った元太の声を筆頭に、皆手を合わせてご飯を食べ始める。各々が昨日の出来事を楽しそうに話しながら食事を進める中、コナンと夏樹だけが手をつけず、じっと考え込んでいた。この島で、観光客以外に自転車に乗っていた人物…そして更に昨日の事件での疑惑もある、彼なら…。


「おかわり!」


そこまで考えたところで、元太がニコニコ笑いながら蘭に空になった茶碗を差し出す。その声に漸く顔を上げた夏樹は、ふと昨日から気になっていたことを正面に座った歩実にたずねた。

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紅茶 - もう最高すぎです!新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています!更新を楽しみにしています! (2月22日 13時) (レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます!更新を楽しみにしてます! (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか?してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ!ありがとうございます…!本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2023年4月3日 2時

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