22話 ページ23
イキイキとした表情を浮かべているあたり、何か事件に関する新しいことを見つけたんだろうと察する。
「ダイビングショップのオーナーが、トレジャーハンターと何かやり取りをしてたんだ」
『えっ…千夏さんが？』
「ああ。はっきりとは見えなかったけど、何かお金のようなものも渡してた」
思わぬ繋がりに夏樹は驚いたが、ふとダイビングショップへ到着したところで、繋がれたままだった手に視線を落とした。
急だったので特に何も思っていなかったが、足を止めいざ手を繋いでいることを意識し始めると、途端に恥ずかしくなってくる。コナンと…いや新一と手を繋ぐことなんて幼い頃からしょっちゅうだったが、夏樹は昼間もドキドキさせられたし、今回の旅行で謎に彼を意識していたため尚更顔に熱が集まった。当たり前だったことを今更ながら意識すると、妙に落ち着かない。
「ん…？どうし…、た」
そんな夏樹の様子に気付き、コナンも彼女の視線を追ったところで、言葉を途切れさせた。事件に夢中で全くそういった意図は無かったが、自分の手は夏樹の手をしっかりと握っている。少しだけ思考が止まって、すぐに動き出した彼は、みるみる顔を赤くした。
「あっ！わ、わりぃ…！」
『う、ううん…別に』
慌てて手を離し意味もなく腕を組む。夏樹は離された手を少しだけ名残惜しそうに見つめて、ぎゅ、と胸の前で握り直した。コナンと同じように頬を染め視線を伏せるその表情に、思わず心臓が跳ねる。ダイビングショップから漏れる明かりを受けて顔に影を作る長い睫毛を見つめていると、ふと視線を上げた夏樹の透き通った瞳とバッチリ目があって、コナンは更に忙しなく鼓動を刻む心臓を押さえつけた。
『…』
「…い、行くか」
『…うん』
いつもの夏樹なら、手を握っていたってこんな反応はしない。滅多に見せないその表情にコナンはいよいよ耐えられなくなり、彼女から目をそらした。
一方でそんな彼の葛藤もつゆ知らず、何故こんなにもドキドキするのか、何故こんなにも恥ずかしく思うのか心底理解できない夏樹は、未だに熱く感じる頬を冷ますように両手で包みながら、ダイビングショップの入り口の方へと向かうコナンの後ろ姿をそっと見つめる。
(いや…今はそれよりも事件に集中しないと…！！)
夏樹はまだドキドキしている心臓の音を無視して、コナンについていった。
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紅茶 - もう最高すぎです！新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています！更新を楽しみにしています！ (2月22日 13時) (
レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます！更新を楽しみにしてます！ (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか？してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ！ありがとうございます…！本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mリン
| 作成日時：2023年4月3日 2時
