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1話 ページ2

-神海島-

「おはようございます。ご予約のお名前を…」

「毛利小五郎です…名探偵の」


夏休みを利用して、小五郎一行は今話題沸騰中の観光地___神海島にやってきていた。島の丘の上にあるHeven Hill Hotelへとやってきた彼らは、小五郎がフロントでチェックインしてくるのを後ろで待っていた。

夏樹はまだ島に到着したばかりだというのに既に浮き輪を膨らませて肩から担いでいる元太を呆れたように横目で見ながら、フロントの会話に耳を傾ける。

小五郎が名前と人数を伝えると、フロントマンは予約が入っているか確認し出した。待っている間、そんな彼に小五郎は嬉しそうに話しかける。


「日売新聞に、週一でパズルが乗ってんだろ?あのちょ〜難しいやつ!正解者がいないと、賞金が繰り越しになるんだけど…それが貯まりに貯まってなんと30万!!誰が正解して、その30万をいただいたと思う…?」

「さ、さぁ…?…あ、もしかして…?」


聞いてもいないのに自慢気に話す小五郎に若干引きながらも、フロントマンは彼に掌を見せた。


「ピンポーン!何しろ名探偵だから、パズルなんてお手のもんで!」


小五郎は30万が手に入ったのが余程嬉しかったのか、東京からここに来る間もずっとその話をしていた。そんなお調子者の彼にコナンと夏樹は苦笑いを浮かべる。


(…ま、解いたのは俺とAだけど…)


30万もあればパリでゆっくりできる。だがそんなバカンスを一人で楽しんでも良いものか?どうせなら、蘭や子供達にも楽しい思いをさせてやりたい、そんな慈悲の心で今回の旅行を計画したのだ。

そう言って己がどれだけ優しいかをひけらかす小五郎に、後ろで待っている一同は全員半目だ。自分が解いたわけでもないのにどうしてあそこまで天狗になれるのだろう。


「で?部屋番号は?」

「申し訳ありません。それが…ご予約を承っていないようなんですが…」

「マジ!?」


(おいおい…)

(勘弁してよ…おじさん)


「ちょっ、ちょっと待て!俺はちゃんと予約したぞ!?」

「ですが…予約リストにお名前がありませんので…」


天狗状態から一変、突然のハプニングにフロントのカウンターへ詰め寄る小五郎の背中を、一同は呆れたように見つめる。


「野宿すんのか…?俺達」

「この島亜熱帯ですから…毒虫もいるでしょうし…」

「来なければ良かった…」


後悔した反応を見せる子供達を横に、哀は腕を組み落ち着いた様子で続ける。

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紅茶 - もう最高すぎです!新一の絡みの作品はとても少ないので、とてもドキドキして愛読させてもらっています!更新を楽しみにしています! (2月22日 13時) (レス) id: dd90f074e1 (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 毎回ワクワクドキドキしながら見てます!更新を楽しみにしてます! (8月1日 17時) (レス) id: 9dbed7814d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - コナン君と彼女ちゃんラブラブだね、続きが楽しみです😁 (5月13日 19時) (レス) @page25 id: 0a46edb41a (このIDを非表示/違反報告)
RINO(プロフ) - いつも見てますリクエスト募集してますか?してたら緋色の弾丸お願いしますできればですけど (2023年4月24日 10時) (レス) id: be789abdc0 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - あーむさん» わあ!ありがとうございます…!本日少し更新しましたので楽しんでいただけると幸いです〜 (2023年4月16日 3時) (レス) id: af6ae32b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2023年4月3日 2時

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