5話 ページ6
江戸川コナンというその少年は、意外にも早く会うことができた。
佐藤らが駆けつけた事件現場に、彼がいたからだ。
現場は米花市北付近にあるペンション。
そこに昨日から、毛利小五郎率いる高校生と小学生の子供達が休暇をとりに来ていた。
昨日は何事もなかったのに、今朝になると、ペンションに泊まっていた他の客の一人である男性が部屋で首を吊っているのを発見されたとのことだった。
第一発見者は、ペンションのオーナーである中年女性。
亡くなった男性は大学のサークルで泊まりに来ていた団体の一人で、彼の他にもそのサークルには女性二人と男性が一人、計四人でここに来た。
仮に、死亡した男性をA、もう一人の男性をB、そして女性二人をC、Dとし、ペンションのオーナーをEとする。
Aは鑑識が現場を調べているのを横目で見ながら、高木の事情聴取を聞いていた。
「では、あなたがたは演劇サークルのメンバーなんですね?」
「そうだよ……俺達そのサークルでも特に仲が良くて、今日のAの誕生日を祝うためにここに来てたんだ」
高木が聞くと、Bが動揺を隠せないといった様子で答えた。
「今日はAさんの誕生日なんですか?」
「えぇ……Aくんにはいつもお世話になってるから、皆でサプライズしようって……!」
今度はDが答えた。彼女は、ショックで顔が真っ青になっているCの肩を抱いている。
Cの目尻には涙が浮かんでいた。
「Aくん…何でっ、自 殺なんか…」
『……………』
AはそんなCをじっと見つめた後、一度高木に別の部屋を見てくると言い、事情聴取を任せてペンションの中を探索することにした。
===
彼女がまず来たのはBが泊まった部屋だった。
中に入ると微かにタバコの匂いが鼻をつく。
机の上の灰皿には吸い殻が山積みになっているあたり、どうやら彼はヘビースモーカーらしい。
壁に掛けてあったジャケットや、机に付属している引き出しも調べたが、特に証拠になるような物は見つけられなかった。
バタン
Bの部屋をあとにし、次にCの部屋に入ろうとする。
扉を開けるとそこには先客がおり、Aはその姿を見た瞬間、思わず声をかけた。
『何してるの?』
Aの声を聞くと、その少年__江戸川コナンは、小さく肩を揺らしゆっくりと振り返った。
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W.m(プロフ) - このお話の虜になってしまいました!是非続きをお願いします! (2022年7月22日 1時) (レス) @page38 id: cc284c2617 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - びっくりするくらい面白いし続き気になります!!ぜひ更新して欲しいです!! (2022年5月21日 18時) (レス) id: 4f6136cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - 初コメ失礼します!とっても面白いです。探り合いの雰囲気とか格好いいですし、降谷さんがバーボン飲んでもらって赤ちゃん化するの笑いましたw可愛い! (2020年7月19日 13時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 雅2さん» 大丈夫ですちゃんとわかってますので!笑笑 この後の話に繋げてるのでご心配なさらず…!変なところで終わってしまったからですよねすみません…!コメントありがとうございました!! (2020年6月8日 2時) (レス) id: 8a2861dc31 (このIDを非表示/違反報告)
雅2(プロフ) - スピリタスって度数96の純正アルコールですよね?そのまま飲んだりすると大火傷を主人公が負ってしまうのでちゃんと水か何かで薄めて他のアルコールの果実酒として飲むようにしてくださいね笑 (2020年6月7日 22時) (レス) id: 57165b9e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mリン | 作成日時:2019年6月22日 17時