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29話 ページ30

Aが愚痴るように言えば、降谷はあぁ……と溢した。



いくら彼でも怪盗キッドのことは知っているだろう。



『キッドを捕まえるってはりきってる上司がいるんですけど、毎回てんでダメなんですよ』



ほーんと、懲りない人。



『あれだけキッドに出し抜かれてまだ捕まえる気でいるんですから、もう二課にいた頃は大変でしたよ!』



きっと長生きするぞあの警部。



やれやれといった様子で話すAにくすりと笑う。



「お互い上司には苦労するな」

『え?降谷さんも訳あり上司が?』

「ん?あぁ……まあな。嫌というわけではないが、威圧感はあるな」

『へぇ……大変ですね、お互い』

「まったくな」



運転中なので前を向いたままだが、ふふ…と小さく笑う降谷に思わず声が詰まる。



あーやだやだ、そんなわけない。



まさかこの私が?



いや、無いから。ナイナイ。



確かに顔は整ってると思うけど。



マジでナイ。



童顔だしな。



言ったら殺されそうだけど。



Aは思考を消すように降谷から視線を反らす。



するとちょうどタイミングを見計らったように、彼女のスマホが鳴った。



『ん?メール……』

「見ていいぞ」

『すみません、じゃあ…』



急ぎの用だったらいけないからな、という降谷の言葉に甘えてAはスマホをつけた。



すぐにメールの内容を確認すると、そこには今お呼びでない人の文字が。



『……』

「?…どうかしたか?」

『いえ……』



差出人の欄にはRAMの三文字。



タイミングわっる。何も今じゃなくても……!



降谷零が隣にいるというのに!



普通の警察関係者なら別に構わないのだが、降谷零は危険だ。



Aの中で警告音が鳴り響いている。



だが見て良いと言われた手前、メールを開かないのは逆に怪しまれる。



彼女は前を向いたままの降谷の様子を伺いつつ、メールを慎重に開いた。






___

バーボンに会わせてやる
___




内容はたったそれだけ。



バーボン___確か前にベルが言っていた組織でも腕がたつ情報屋だ。



Aには劣ると聞いたが、果たしてその技量はいかがなものか。



しかも男か女か知らないが、日本人ときた。








『………っ』



興味がない__わけではないが、



ラムやベルモット以外の組織の人間に、顔を知られるのは困る。

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W.m(プロフ) - このお話の虜になってしまいました!是非続きをお願いします! (2022年7月22日 1時) (レス) @page38 id: cc284c2617 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - びっくりするくらい面白いし続き気になります!!ぜひ更新して欲しいです!! (2022年5月21日 18時) (レス) id: 4f6136cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - 初コメ失礼します!とっても面白いです。探り合いの雰囲気とか格好いいですし、降谷さんがバーボン飲んでもらって赤ちゃん化するの笑いましたw可愛い! (2020年7月19日 13時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 雅2さん» 大丈夫ですちゃんとわかってますので!笑笑 この後の話に繋げてるのでご心配なさらず…!変なところで終わってしまったからですよねすみません…!コメントありがとうございました!! (2020年6月8日 2時) (レス) id: 8a2861dc31 (このIDを非表示/違反報告)
雅2(プロフ) - スピリタスって度数96の純正アルコールですよね?そのまま飲んだりすると大火傷を主人公が負ってしまうのでちゃんと水か何かで薄めて他のアルコールの果実酒として飲むようにしてくださいね笑 (2020年6月7日 22時) (レス) id: 57165b9e01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2019年6月22日 17時

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