14 刀剣女士、悲しみと ページ17
動揺を隠しつつ、苦し紛れの言い訳をいう。
納得してくれるかなんてしらないけど、納得してくれ
鶯丸さんは数秒、私の目を見つめて、逸らした。
鶯丸「まあ、今日はそれはどうでもいいんだがな」
どうでもいいのかよ!って、今日は……か。まあいい
貴方「じゃあ、目的はなんだ?」
鶯丸「さっき言っただろう?悩める新刃の話でも聞こうかって」
鶯丸「俺も、殺生は嫌いだ。時間遡行軍であってもな。……さくら、お前はどうだ?なんで涙していたんだ?」
鶯丸さんが優しく私に語りかける
本当は、誰にも言うつもりなかったんだけどなあ……
涙が溢れそうになるのを我慢しながら、ポツリ、ポツリと話し始めた
貴方「私も、殺生は嫌いだ。というか、誰かを殺すことになれていないのだと思う。記憶がないから、わからないけど、感覚が人間よりなんだろう。それも、刀を振るわない時代の」
限界。涙が溢れてくる。
涙で言葉が詰まっても、鶯丸さんは急かしたりしなかった。それがとてもありがたい
貴方「多分、1番感じていたのは、恐怖、だと思う」
鶯丸「恐怖?」
貴方「追ってくる時間遡行軍も怖い。だけど、それよりも、自分が、誰かを、殺してるってのが、本当に怖い」
時間遡行軍を斬る感触が身体に残ってる。それがまた、自分に殺したことを自覚させる
貴方「刀なのに、おかしいよね……」
鶯丸「確かに、戦や殺生が嫌いなのは刀として珍しい。だが、俺はおかしいとは思わない」
貴方「え……?」
鶯丸「さっきも言ったが、俺は殺生が嫌いだ。命は大事にしてほしい。江雪や千代金丸に至っては戦というものが嫌いだ」
鶯丸さんは私の背中を優しくさすりながら、こうはっきりと言った。
泣くわ
貴方「嬉しくてまた涙出てくるんで、やめてくれません……?うぅ……ぐすっ」
鶯丸「それはすまないな」(やめない)
貴方「ふう、落ち着いた!ありがとう、鶯丸さん」
鶯丸「いや、礼には及ばない」
なんだよあんた!イケメンかよ!
鶯丸「じゃあ、そろそろお暇しようか」
貴方「戦の時も助けてくれたし、悩みも聞いてくれて本当にありがとう。助かったよ」
鶯丸「無理はするなよ。……ああ、一つ言い忘れていた」
思い出したようにーーーーっていうか本当に思い出したんだろうなーーーー鶯丸さんが言う
鶯丸「決して、慣れるなよ。命を奪うことに慣れるな。……じゃあ、おやすみ」
貴方「えっ……あ、うん。わかった。おやすみ」
威圧ゥ
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作者名:リムアクア | 作成日時:2019年8月1日 22時