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「……いた。やっっっと見つけた……」
気がつけば屋台の並ぶ祭りの中心地から外れた、小さな神社の前だった。階段の下から4つめに、彼女は座り込んでいた。
「……ごめん、木葉」
わずかに目元は濡れて、さっきよりもずっとキラキラさせながら彼女が言った。
「いや、俺も悪かった。……つか、はあぁ、まっじで焦った」
「……うん」
小さく頷いた彼女は、眼下でまだうかない表情を浮かべている。やっぱり難しい。彼女より３つ下の段差にしゃがみこんで、そっと手を取る。心臓の音がうるさい。聞こえてくれるなよ。ひとつ、息を吸った。
「あのさ、今日のお前、……かわいい、めちゃくちゃ、かわいい、から」
途端に恥ずかしくなって、頬を緩めて泣き出した彼女は何でだか余計に可愛く思えて、怒られるかもしれないな、と思いながら祭りに来たばかりに買ったお面を彼女に被せた。口元だけが露わで、こくりと喉が鳴る。
気がつけば、上がった花火もよそにキスをしてしまっていたなんて、柄にも無さすぎて笑ってしまいそうだ。
これでも俺、マジでお前のこと好きなんだぜ。
リップ取れちゃうじゃん。彼女が俺を軽く叩く。やっぱり女心ってやつは、俺には分からない。たまにめんどくさかったりもする。それでもそんなところも愛おしくて、何もわからないなりに彼女のことをわかりたいと思う。
俺はなかなかに恥ずかしいやつだったらしい。
続く
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依(プロフ) - しおさん» わ、しおさん！！ありがとうございます！！！！！！嬉しいです！！！！！！ (2020年5月17日 21時) (
レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - コメント失礼しますとてもファンです。いつも素敵なお話をありがとうございます。最高です！！！！！ (2020年5月17日 20時) (レス) id: 2d9a1a0004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：依 | 作成日時：2020年5月17日 20時
