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対偶を【木葉秋紀】 ページ13

ピリピリと張り詰めた空気が私の心臓を締め付ける。瞬きをすれば、今にも泣き出してしまいそうだった。

「私たち、もう一緒にいるのやめよう」

たった一言、そう言うつもりで私は木葉を放課後の教室へ引っ張った。
私たちの関係に名前は無い。強いて言うとするならば、友達、なのかもしれないけれど、それすら破綻していると私は言い切れる。

自分の中に眠っていた淡い感情に気が付いた時、あの時から私たちの間に友情なんてない。そんなもの、成立してなどいない。してたまるものか。

大人しく私に手を引かれた木葉は、きっとその手首に熱を感じたりはしていないのだろうし、隣合って、向かい合って、心臓が踊るようなこともきっとない。


「は?何だそれ」

私がやっとの思いで絞り出した言葉に木葉はそう言った。

「そのままだよ。一緒に帰ったり、昼食べたり、そういうの、もうやめよ」
「意味わかんねぇけど、なに急に」

二人には広すぎる教室で、机をふたつ挟んで話す。へらへらと薄く笑っていた木葉の口角が沈んだ。


私に言わせれば、何も急な話ではなかった。
異性間に友情は成立するのか。いつしかそんな話をしたことがある。私の答えは決まってノーだった、のに。

「じゃあ俺ら何なわけ?」
「……人によっては成立しなくもないよね」

木葉があまりに自然に言うから、そうやって友達として笑い合ったことがあった。つまり、木葉はそういう奴だった。


彼に抱く感情が、他とは違うと気が付くのにそう時間はかからなかった。そのとき、やっぱり友達にはなれない、と私は悟った。
だってどう考えても、私たちの努力は不均等だ。

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(プロフ) - しおさん» わ、しおさん!!ありがとうございます!!!!!!嬉しいです!!!!!! (2020年5月17日 21時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - コメント失礼しますとてもファンです。いつも素敵なお話をありがとうございます。最高です!!!!! (2020年5月17日 20時) (レス) id: 2d9a1a0004 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月17日 20時

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