君は友達【花巻貴大】 ページ11
流行りの、どこででも流れているような曲を歌い終えた私は、ついさっき及川に歌えと押し付けられたマイクをテーブルに置いた。
今から数時間前、部活がオフだという男バレの元へ行けば、カラオケに行くと言って連行されて、今に至る。
「何だよ歌えるのかよ」
「は？歌えちゃダメなわけ？」
席に着いた私に、隣に座る及川がそう言った。恥かかせてやろうと思ったのに、と不服そうに呟いた及川の肩を軽く叩く。
「イッッタ。やってくれたな、お前」
「そんなに強くしてないでしょ」
駄々をこねる子供みたいにわめく及川を横目に、私はポテトに手を伸ばした。
「は！？そういうこと言うんだね」
そう大げさに怒るふりをした及川が、ポテトを口元に運んでいた私の腕を掴み、彼の方に寄せた。パクリ、と私の指からポテトを奪う。
「……は？ちょっと、……ばかじゃないの」
思わずため息まじりにそう漏らした私に、及川は「バカって言う方がバカです。バーカバーカ！」と楽しそうに笑った。
「あ、次俺だ」
満足気にニコニコしている及川が立ち上がる。そんな彼に呆れていると、不意に及川の横に座っていた花巻と目が合った。しばらく黙りこくっていた彼が、「ほれ」と私の口元にポテトを差し出したのを、口に含む。花巻は何を言うでもなく、また元に戻って楽しそうに騒ぎ始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
依(プロフ) - しおさん» わ、しおさん！！ありがとうございます！！！！！！嬉しいです！！！！！！ (2020年5月17日 21時) (
レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - コメント失礼しますとてもファンです。いつも素敵なお話をありがとうございます。最高です！！！！！ (2020年5月17日 20時) (レス) id: 2d9a1a0004 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：依 | 作成日時：2020年5月17日 20時
