Ep.6 ページ7
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今日も一日疲れた｡
なんなら疲れたどころか吐き気がするほど｡
せっかくの音楽番組の収録だって気合い入れたのに､
収録前からスタッフさんに襲われるし
直前の最終確認でも振り間違えるし｡
家に帰ってきてもすることないし､
眠ってしまおうと思ってベッドに寝転がれば
数分のうちに意識がプツリと切れた｡
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朝､太陽の光で目を覚ませばまだ8時前｡
今日はオフだしゆっくりテレビでも見よう｡
リモコンをつけてテレビを入れても音が出ない｡
ついに寿命か？と思って音を上げてみるけどやっぱり出ない｡
それだけじゃなくて､蛇口から水を流す音も
携帯から出る通知の音さえ聞こえない｡
その瞬間になんの感情から出たか分からない
涙が出てきて､床にポタリと落ちた｡
とりあえず照に電話しよう｡
そうしようって思っているのに電話できない自分がいて｡
この通話ボタンを押しても照の声は聞こえないのか｡
それともテレビとかが壊れてただけなのか｡
怖くてかけることが出来なかった｡
意を決して通話ボタンを押せば､
携帯からは何も聞こえない｡
普段だったらコール音が聞こえるはずなのに､
やっぱり聞こえないんだ｡
｢もしもしふっか？｣
｢っ…｣
｢おーい？ふっか〜？聞こえてる？｣
｢照…｣
｢なに？なんかあったの？｣
｢俺､TVの音が聞こえないんだ｣
｢え？｣
｢それどころか､照の声も聞こえてないんだ｣
｢っ…ふっか､それ本当？｣
｢だから俺は今照が何言ってるか分からないんだ｣
｢今行くから待ってろ､家にいろよ｣
気づいたら切れていた電話｡
俺､本当に何も聞こえなくなってるの？
メールの画面を開けば照から
｢今から家行く｡そこで待ってて｣
ってメールが入ってた｡
俺はどういうことか理解出来ていないけど､
とにかく命綱の照を待った｡
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作者名：去夜-サリヤ- | 作成日時：2020年9月13日 21時
