Ep.5 ページ6
. Hikaru side
最近ふっかの様子がおかしいんだよね｡
トイレ行く〜とかちょっと用事〜とか言って
そのまま何十分も帰ってこない｡
今日も音楽番組の収録が待ってるって言うのに､
ちょっとトイレ行くわ〜って出てっちゃった｡
そのまままた20分くらい経っても戻ってこなくて､
俺は佐久間と色々話しながらも心配してた｡
｢んでさ…って照？｣
｢ん､あぁ､ごめん…｣
｢あー…ふっか？｣
｢まぁ…そうだね｣
｢最近帰ってこないの多いよね〜｣
｢んー､何かあったのかな…？｣
｢体調悪いような感じではないけどね〜｣
｢俺ちょっと見てこようかな｣
と言って椅子から腰を上げれば戻ってきたふっか｡
何だか疲れてるようだし､声かけるか｡
｢あ､ふっか遅かったね｣
｢あー…ごめん｡ ちょっと混んでてさ｣
｢…てか､なんかふっかさ……｣
｢え？何？なんかついてる？｣
｢…いや、なんでもない｣
…俺は咄嗟にその場から逃げてしまった｡
だってふっかから甘い匂いがするから｡
いつものふっかの香水の匂いとも違うし､
体から直接出ているような…フェロモン？っやつか｡
もう一度ふっかの方を見ればぼーっとしていて､
何となくいつもよりゆるゆるな顔だった｡
前に振り練習してた時も顔歪んでる時あったし､
一瞬だけど胸の辺り抑えてかなり痛そうだったし｡
頼むから相談してくれよ｡
あんな悲劇産むことだってなかったんだから｡
なぁ､ふっか｡
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作者名：去夜-サリヤ- | 作成日時：2020年9月13日 21時
