Ep.10 ページ11
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…どれくらいの時間が経ったんだろう。
目が覚めれば見慣れた天井とベッドで、
リビングの方から明かりが見えていて、外は暗い。
あぁ、俺突発性難聴なんだっけ…。
時が経つと出てくる現実味にガッカリする。
「あ、照……」
リビングに繋がるドアを開けばそこには照がいて、
その手元には俺が絶対誰にも見せたくなかったものが。
「…ふっか」
「なんで俺に相談してくんなかったの」
なんて言ってるかは分からなかったけど、
口の動きでそういう風に読み取った。
あー、照にはなんでもバレちゃうんだなって思った。
「…メンバーに迷惑かけたくないから」
「俺なんて社会のお荷物なんだよ」
自虐してみるけど全然笑えない。
どころか溢れてくるのは涙ばかりで吃驚。
すると照はいつ買ってたのか分からないスケッチブックに
机上にあったペンで何かを書き始めた。
そして、書き終わったのか俺に見せてきた。
" 俺、ふっかが死んだらどうすればいいのさ。
ふっかが苦しい事も辛い事も俺に話していいから。
だから俺の前、メンバーの前からは消えないで。 "
スケッチブックを持つ照の手は震えていて、
照のジーパンには色が濃くなってる部分があった。
…照が泣いてて、今までで一番辛そうな顔をしてた。
「ひかぁ…！」
「頼れなかったの？頼りたくなかったの？どっち？」
「俺、自分で自暴自棄になってこんな事までして最低だったな…！ごめんな…！ごめんな照…！」
「…ふっか？」
きっと照は何か言ってくれてるんだろうけど、
俺はいつの間にか照に抱きついている状態。
心地よく背中を摩ってくれると温かさを感じる。
するとまたスケッチブックに何かを書く照。
目の前に広げられた文字はとても頼もしかった。
" ふっかの事は、俺が責任もって皆に伝えるから "
続く (更新停止中)
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作者名：去夜-サリヤ- | 作成日時：2020年9月13日 21時
