続々 ページ50
『ん…大丈夫だよ、大丈夫。まだそばにいるよ。』
そんなことを言われるから、何度も何度も唇だけを重ねてしまう。
離れなきゃいけないって分かっているのに、甘いAから離れたくない。
上顎をなぞるとびくってするのが可愛い。
指を腰に這わせると吐息が多くなるのが可愛い。
息が続かなくなると鼻で息すればいいのに胸板を叩いてくるところが可愛い。
涙でべちゃべちゃで、頬が紅くて、それでも"気持ちい"から逃れられないAが可愛い。
全部全部、最高に可愛い。
服を少しだけずらすと見えた見えた包帯と棘のような痣、それから噛み跡。
合わせていた唇を一度離した。
俺の知らないところで知らない奴がAにマーキングしたんだって思うと無性に腹が立った。
『さとる、さん?どしたの、だいじょうぶ?』
呂律が回らないながらも服を引っ張ってくるAに他の男が居たらどうしようとからしくないこと考えて。
「これ、誰にやられたの?」
つう、と指であとをなぞるとAがぴく、って反応した。
『…ちょっと前に会った呪霊、人型の…』
Aが口吃ったから、同じところを噛んだ。
Aは俺だけ見てればいい。
俺のものになればいい。
ねえ、そうでしょ?
いかないで、どこにも。
俺の印つけたんだから、どこにも行かないよね?
ここにいるよね。
絶対に死なせないから。
「Aは死なないで、もう見たくない。Aが死ぬところ見たくないよ。…そんなの、1回で十分だよ」
『…悟さんがしたいこと、していいよ。だからね、一緒に高専まで行こう?ゆっくりでいいよ、ごめんね。』
問に答えないところとか、その”ごめんね”にはどれくらいの思いが入ってるかとかさ、わかってないわけないじゃん。
もっと欲張りになってよ。
俺たちみんな幸せになってさ、もちろんAも含めて、みんなで笑ってんの。
いいだろそれで。
それを願えよ、自分のこと後回しにするんじゃくてさぁ、自分も含めて幸せになりたいって言えばいいじゃん。
簡単じゃん。
でもそれを俺が言ったって、絶対に言わないの知ってるよ。
だからまた、唇を重ねて。
俺の痕をもっとつけて。
Aが俺の事いつでも思い出せるように。
まだ"初めて"は貰わないよ、いつかAが本気で俺の事好きになってくれるまで。
でも、俺が一番Aが好きで、Aの"初めて"貰うから。
それまで待ってて。
俺の、A。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます!エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります! (2021年4月3日 23時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...!ありがとうございます、頑張ります〜! (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです!!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください!応援してます! (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だしまきたまご | 作成日時:2021年3月17日 10時