続 ページ49
知ってるくせに、俺の気持ち知ってるくせに。
分かっててそんな期待させるようなこと言ってさ、明確に答えは言わないで。
Aが一番ずるいよ。
ほんとは知ってるんでしょ、みんながAのこと大好きで、いなかったらとてもじゃないけど普通じゃいれなくて、A程大きい存在はないのに。
知ってるんだろ、知ってて見ないふりしてるんだろ。
恋なんかしたくねぇのに、確証のない愛なんて曝け出したくないのに、Aのことを愛してるから。
だから、この気持ちは手放せないのだ。
「なんで死んじゃったの、なんで置いてったの。僕も傑も硝子も、お前の師匠とか言う甚爾でさえもAが目覚ますの待ってたのに。
なんで、A、なんで。
折角また会えたのにさ、なんでもうすぐ死ぬなんて言うの。
死なないって言って、僕の前から消えないって言って。」
我儘でごめんね、僕たちのためにやってるんだよね。
助けてくれてるんだよね、ごめんね。
でも、屑だとか言われるかもしんねぇけどさ、それ以上にAに生きてて欲しいんだよ。
俺らのこととかいいから、眩しいくらいの笑顔で笑ってて欲しいんだよ。
Aが俺らにそう思ってるみたいに俺らだってAにそう思ってるだけなんだよ。
『…ごめんね、ごめんなさい、ほんとにごめん。
こうなるなら俺は最初からいなければよかったねぇ、ずっと待たせてごめんね。
…なんかね、もう上手く力が入らないんだ。呪力を身体に流さないと歩けない。本当にもうすぐ死んじゃうんだなぁって、でもね?まだその時まで時間はいっぱいあるよ。
…死なないって言えないよ。
悟さんの前から消えないって言えないよ。
…ごめんね。』
俺の望んでない言葉を紡ぐその口をどうしても閉じたくて。
無理矢理、塞いだ。
悪足掻きだ、やり返しだ。
俺の目の前で死んだんだから、またいなくなるって言うんだから、これくらい許して。
『ぁんっ、さとりゅ…さ、』
Aが名前を呼んでくれることに自分でも驚くほど興奮して、そのまま舌を捩じ込んだ。
Aを泣かしてるのに泣き顔さえも可愛いって思って、押し倒して。
後でいくらでも怒っていいから、ごめん、今だけはこうさせて。
今だけは、Aを感じさせて。
無理矢理でごめん。
そしたら俺の背中に手を伸ばしてゆっくり摩って大丈夫だよ、みたいに笑うからさ。
ああもう、そんなことされたら調子に乗るに決まってるじゃんか。
ずるいよ。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます!エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります! (2021年4月3日 23時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...!ありがとうございます、頑張ります〜! (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです!!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください!応援してます! (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だしまきたまご | 作成日時:2021年3月17日 10時