【呪術廻戦】もう一度その声で名前を呼んで。2

続 ページ32

『色々合ったの、本当に色々。きっと信じてくれないと思うけど…笑っちゃうよね。まさか死んで赤ちゃんからやり直すなんてさ。』


辛くなんてないよって、天与呪縛なんてものも存在しないと同意義なんだと見せよう。


それで貴方が笑って受け入れてくれるなら。

『何も言わずに今まで生きてきてごめん。連絡くらいすればよかったよね！』


生きてて、この世に存在しててごめんなさい。


でもこの言葉は七海くんには今まで連絡しないでごめんねって意味になって欲しい。


それがきっと一番何も思われないと思うから。


めんどくさい自分でごめんね。

「貴方…笑い方も泣き方も相変わらず下手ですね。」

『え…？』


下手ってどういうことだろう。

自分の顔が整っていないことはずっと前から知っているけれど、そういうことなんだろうか。


「無理に笑わなくても私は構いませんが。泣きたいなら泣けばいい、貴方がよく泣くことは十数年前から知っているので。」


ああ、やっぱり七海くんはいじわるだ。


きっと俺の気持ちも少しだけわかった上でこんなこと言っているんだろう。


眼鏡なんか拭いちゃってすました顔してさ。


こんなに優しい人だから、迷惑をかけるのは死んでも嫌なんだ。

だからごめん。

泣くのはもう少しあと、七海くんが居なくなったあとにするよ。

そうしたらきっと俺の心の蟠りも少しは消えてくれるはずだから。






消えて、欲しいなぁ。

全部、ネガティブな気持ちも重すぎる気持ちも腕の痛みも喉の痛みも心臓の痛みも肺の痛みも天与呪縛も。

そして、要らない俺自身も。









誰か救けて。俺を深い沼から救って。

なんて助けを求めるには図々しいにも程がある、ね。

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