続 ページ23
両手首を掴まれて固定されている、触られている。
このままだと俺が見た夢が予知の可能性が大きくなって、ということは触られた時点でアウトだ。
下手に動けない。
「これ邪魔。要らないでしょ？」
直ぐにでも俺を殺せる筈なのにその呪霊は何を思ったか俺のマスクを乱暴に外して口角をあげた。
怖い。
押し寄せてくるのは恐怖、そして焦燥感。
なんで、あの人たちの為に死ぬことなら怖くは無いのに、何も出来ないまま死ぬ事が救いようのないほど怖い。
段々近づいてくる呪霊の顔に覚悟して目を瞑った。
死ぬなら、大切な人を想って死にたい。
瞼の裏に映る皆を見てから死にたい。
突如感じたのは柔らかい感触。
それも唇、に。
長く唇を封じられることなんて初めてで、どうやって息をすればいいか分からなくて、身体の重さも相まって何をされてるのかさえ思考が回らない。
酸素が足りない。
頭の角度を変えられた瞬間に空気を入れようと口を開けたら、今度は異物が口内の中に入ってきた。
『ん、ぁ…っふ、んぅ』
吐息が漏れるのも自分のじゃないような声が出るのも冷静に考えれば恥ずかしい筈なのに、頭がふわふわする。
耳に指を這わされるのが擽ったくて、変な気分になるのを加速させて。
初めての感覚。
気持ちいいので頭がいっぱいで身体に力が本気で入らなくて、生理的な涙も溢れ出てきて。
どうすればいいか分かんない。
「泣いてぐっちゃぐちゃになったA可愛いね。…殺したくないけど血も似合うんだろうなぁ」
口からは離して貰えたけど腕は掴まれたまま、背中は壁にくっついたままで何より身体に力が入んない。
「こう言うの、可愛いって思った時とか好きな人にするんだって。×××が教えてくれた。」
頭が麻痺したみたいで、何言ってるのか分かんない。
次に服を引っ張られたと思ったら肩に走った鈍い痛み。
歯型がついて血がじんわり出てる、痛い。
でもそれが幸を成したように我に返った。
逃げなきゃ、吉野くんを探さなきゃ、という焦燥感に駆られて、呪霊が満足気な顔をした途端に緩んだ腕を振りほどいて走った。
痛い、怖い、なのに気持ちいいって思ってしまった自分が怖かった、自分に嫌悪感を感じた。
「霊長ぶってる人間の感情…心は！！
全て魂の代謝！！まやかしだ！！
まやかしで作ったルールで僕を縛るな」
そして海月の式神と怒っているような、顔を歪ませた吉野くんを見つけた。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます！エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります！ (2021年4月3日 23時) (
レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...！ありがとうございます、頑張ります〜！ (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです！！！ (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください！応援してます！ (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年3月17日 10時
