続々 ページ13
「えっAくん京都から来たの？」
『あ、そうですね。ほんとは今日帰るつもりだったんですけど、予定より長引くことになっちゃって。』
歌姫先生には無理矢理通したけど多分大丈夫。
京都に戻るのはもうちょっとあとでもきっと大丈夫だし、俺が居なくても何も変わらないと思うから。
「えーじゃあうち泊まっていきなよ〜！」
『そんな悪いですよ…』
「いいっていいって！」
「ちょっと母さん飲みすぎだって！」
吉野くんたちの食卓は賑やかで、楽しそうで。
そういえば最近忙しくて一人で食べるなんてことが殆どだったかな、なんて考えてしまった。
「母ちゃんいいひとだな。」
「…うん。」
やっぱり家族は大事、なんだよね。みんな等しく。
「虎杖君のお母さんはどんな人？」
「あー俺会ったことねーんだわ。父ちゃんはうっすら記憶あんだけど。俺には爺ちゃんが居たから。」
そう言って虎杖くんは誰かと電話をしに行ってしまった。
「A君は？あ、三人のお母さんがいるってことだよね？」
『そうだね。だけど、殆ど覚えてないんだ。一回目は小さい時に死んで、二回目は仕事でずっと帰ってこなかったの。お父さんも、お母さんも。今はお父さんは分かるけどあんまり喋らないし、婚外子らしいからお母さんに会ったことないんだ。
でもね、俺の事を大事にしてくれる人がいるから、俺はその人たちを大切にするの。』
「禪院君はすごい、ね。」
『そんなことないよ。諦めようって思ったことばっかりだし。俺は吉野くんの方がすごいと思う。』
俺はメンタルが雑魚だから、もし吉野くんと同じことがあったら、今必死に踏ん張ってる吉野くんよりも先に心が折れるだろう。
現に自分に自信が持てないし、何しても上手くいかない気がする。
みんなと違って俺は役に立たないからもっと頑張ろうって思っても血は吐くし、それでもっと迷惑をかけるのは臓器が痛むよりも辛いのだ。
お皿洗ってくるね、と吉野くんに言ってその場を後にした。
蛇口から流れる水は緩やかで、なんの傷害もなく排水口まで進む。
俺とは随分違うようで、水相手に羨ましく思ってしまった。
俺はきっと人を殺せる。
その人が俺の宝物を壊すようなら、相入れることは無い。
俺はみんなに幸せになってもらわなくちゃ困るんだ。
そのためにずっと頑張っているのだから、誰かが死ななければ行けないというのなら、それは俺でいい。
ずっとずっと、そう思っている。
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だしまきたまご(プロフ) - Jさん» いつもコメントありがとうございます！エンディングはまだまだ先になりそうですが、色々調整しなければいけないのでアンケート取らせていただきました。全部書くことになりそうですが頑張ります！ (2021年4月3日 23時) (
レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
J - エンディング頑張ってださい。 (2021年4月3日 3時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
だしまきたまご(プロフ) - うむさん» 唐突な告白貰っちゃいました...！ありがとうございます、頑張ります〜！ (2021年3月22日 0時) (レス) id: c9e7413bf3 (このIDを非表示/違反報告)
うむ - 好きです(唐突)この後の展開が気になる・・・無理のない範囲で更新がんばれです！！！ (2021年3月21日 11時) (レス) id: 7feb1ef4d4 (このIDを非表示/違反報告)
J - 無理せず頑張ってください！応援してます！ (2021年3月21日 2時) (レス) id: 42cc688081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年3月17日 10時
