無敵の貴方と、来てしまうもの ページ46
タケミっちとバイバイして、少しぼーっと窓を見ていた時だった。
「A、無事か？」
病室のドアを開けて3つの人影が入ってきた。
ひとりは大柄、ひとりは小柄、もうひとりは…中柄？いや、違う気もしなくはないけど。
『無事！…久しぶりだねぇ、ケイくん、ワカくん、タケくん』
「おー」
ぽん、と頭に手を置かれて、三人ともベッドの横の椅子に座った。
ケイくんこと
真一郎くんが立てた初代
『いつぶりだっけ、二年とか？』
「うん、それくらいだと思う。」
ワカくんにそう返されて、そんなになるかぁ、なんて心の中で思った。
『あ、ていうかどうして？…たまたま？…うーん、それでも俺のためなんかに来てくれるわけないしなぁ。』
「…はぁ？お前マジで変わんねぇわ。自分のこと無下にしすぎ。」
タケくんにそう言われて若干ムッとしながらも、だってわかんないし、と心の中で呟いた。
分からないものは分からない。それを考えるのも時間の無駄だと知っているから、聞いただけなのに酷い言われよう。
…ま、なんでもいいけどさ。
『…じゃあなんでお見舞いになんか来たの。なんでもっと早く会いに来てくれなかったの。…なんで、なんで、約束守ってくれなかったの』
そこまで言って、ごめんと口にした。
『ごめん、変なこと言っちゃったね。…気にしないで、なんでもないから。』
俺はこの3人に威張って、何かを言える立場じゃない。
昔した約束も、覚えてくれているわけなんてなかった。
馬鹿なことばかり、この口から出てしまう。
「わりぃ、忘れた訳じゃねぇんだ。あの後色々あってな、時間が作れなかった。」
「うん、オレらの方こそごめんね。そんなつもりじゃないんだけどね、とにかくごめん。」
ケイくんとワカくんの言葉に首を振って、大丈夫、と返す。
覚えてくれたということと、優しい眼差しに安堵して、途端に目頭が熱くなってきてしまった。
…これだから、泣くのは嫌なのに。
「それに、オレらがお前んとこ行くとさ、真一郎の弟…マイキーが超睨むの知ってるか？オレあれ地味に怖ぇんだよな。」
タケくんがそう言って、そんなの初耳だ、と瞬きをした。
「大事にされてんな、A」
その言葉に照れてしまうのは当たり前というか。
恥ずい。
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なんばん - すごく面白いです！ドストライクです！書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年6月2日 1時) (
レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです！！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年5月18日 2時
