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『でも、帰ったらさ。…幸せになってよね、ヒナちゃんと。』
どうなったって、タケミっちは幸せになって欲しい。俺がどうなっても、何があっても、ヒナちゃんと。
「…っはい！あ、でもA君は…やっぱり、マイキー君に言わないんですか？」
いきなり確信ついてくんじゃんかタケミっち…ま、いいけどさ。
でも、最初から答えは決まってる。
『俺はねぇ、この先どんな事があっても、なにか大変なことがあっても…たぶん、言わない。』
「なんで、ですか。」
『だってさ、マイキーがそんな人じゃないって知ってるけど…例えば、引かれたら。例えば、ずっとそういう目で見られたんだって、軽蔑されたら。嫌な未来ばっかり想像しちゃう。……だから、どうしても言わなきゃいけない状況にならない限り、きっと言わない。…ごめんね。』
うん、そう。知ってるんだよ、知ってるんだ。
マイキーはきっと、たぶん、絶対、そんな事言わない。
そう思ったりもしない。
わかってる。
だけど、不安だとか恐怖だとか、ずっとついてまわるんだ。
『…弱くてごめんね』
「…A君は弱くないです。…誰がなんと言おうと、絶対絶対弱くない。だから、自信もってください。
オレはぜーってぇ幸せになるけど、結婚式はA君も来てください、それから幸せになってください！！」
『…そんな言われたら、しょうがないなぁ。』
タケミっちは、そうでなくちゃ。
…そうでなくちゃ、だめだよね。
『マイキーもみんなも、ちゃんと俺が守っとくから！任せて、ほんとにほんとに、ぜったいぜったい！幸せになってね！！』
弱くないよって言われたことが、酷く嬉しいのだ。
自信持ってって言われたのが、酷く嬉しいのだ。
結婚式に来てって言われたことが酷く嬉しくて、嬉しくて。
やっぱり行かないで、なんて言えない、言えない、言えるはずがない。
タケミっちが戻ったら、今のタケミっちとは違うタケミっちになっちゃうんでしょ。
やっぱり弱いよ、俺は。弱いんだ。
またひとりになる、なってしまう。
俺が弱いばっかりに、勇気を出せないばかりに。
それを恐れて恐怖して。
…でも、俺のこんなわがままで引き止めてなんかいられない。
俺は、生きていられるだろうか。
タケミっちが結婚する、その日まで。
……今は口約束でも、充分か。
守れなかったらごめんね、でもきっと、きっと。
叶えられると、いいんだけどなぁ。
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なんばん - すごく面白いです！ドストライクです！書いてくれてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年6月2日 1時) (
レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
Kira(プロフ) - いつも読ませていただいてます。面白くて大好きです。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 17時) (レス) id: 5ee4acc04b (このIDを非表示/違反報告)
るい - とっても面白いです！！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: b95688f803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だしまきたまご | 作成日時：2021年5月18日 2時
